〜第2章〜


[02]パスタ


「ほらできたょ。」
ハルカの前にレイが皿を置く。
目の前にはパスタの山があった。

「……ごくっん」
ハルカは、目を大きくして前のめりになってパスタを見た。

「食べてくれよ。君の為に作ったんだから。」
レイが笑いかける。

「……はぃ。」
レイの笑顔とは裏腹にハルカは、浮かない顔をしていた。

「心配しなくても変な薬とか入ってないから。」
取り皿に2人の分を取分ける。

「………。」

「君が食べないなら私が頂くよ。」
おいしそうにレイがパスタを口に運び始める。

「あぁ!」
ハルカが自分の物を盗られたような目でレイを見る。

「んーっ。我ながら完璧だな。うまい。」
そう言いレイは、手を止める事なく次々にパスタを口に運ぶ。
「うーっっ!俺も!!」
ガブッとすごい勢いでパスタに食いつく。まるで何日も食事をとっていないのかと思うくらいだった。
その勢いに驚きレイの手の動きも止まってしまった。

「…うまいかぃ?」

声を出さず頷くハルカ。

それを見てレイがクスクスと笑う。
その声にハルカが我にかえる。
「……んだょ。」

「いや…こんなに美味しそうに食べてくれるなら私も作り甲斐があったょ。」
レイが優しく微笑む。
「残ったら勿体ないからな。仕方ないから食べてやるょ。」
ハルカが目をそらしながらパスタを皿にいれる。

「ありがと。」



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