綿流し


[01]1


入江 京介(いりえきょうすけ)は一人、歩き続けていた。
理由は自分の患者の悟史が勝手に病室を抜け出していたからだ。
「悟史君にも困ったものだ。」
入江はため息をつきながら歩いて行った。
入江が向かう先は圭一と悟史が会った場所だった。
「悟史君、やっぱりここにいたね。」
悟史は木にもたれて湖を見ていた。
「監督…」
「悟史君あれだけ言っただろう、君は」
入江が悟史に注意しようとした時、
「雛見沢症候群(ひなみざわしょうこうぐん)なんだからでしょ?」
「悟史君!」
入江が悟史の肩に掴みかかった。
「僕だって一日中あんなところにいたら気がめいってしまいますよ。」
「君にも本当に困ったものだ。」
入江は大きくため息をついた。

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