第②章

[03]ありがとう

香菜はあの日,東京に引っ越してしまった…

もっと,いい言葉を言いたかった…

あんな時ぐらい,良いとこ見せたかった。

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件名：元気？
宛先：香菜
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本文：元気－？
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送信－。

こんな,たった何文字かのメールでも…
言葉にすれば嬉しい言葉。

♪～♪～♪～♪

返ってきた。

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件名：元気やで。
宛先：香菜
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本文：元気にしてるよ
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忠「ｸﾞｽｯ………ｯ」

ただのメールやけど,記憶が戻って来た…

久しぶりのメールに泣けてきたんや…

亮「大倉━リハｯｯ…」

安「たっちょん,リハーサル始まｯｯ…たっちょん？」

亮「今は,１人にしてやろうや」

安「…うんｯｯ」

忠「…ｸﾞｽｯ……香菜」

♪～♪～♪～♪～♪

……香菜？

忠「もしも…し？」

「久しぶりｯｯ♪」

忠「…香菜？」

「うんｯ…大倉君,泣いてたん？」

忠「…大倉君？」

「大倉君やろｯｯ？」

忠「何で大倉君なんｯ？」

「忘れたいｶﾗ…」

忠「えｯｯ？」

「皆と過ごした時間を,私の中から消したいｶﾗ」

忠「何で？」

「知りすぎてんねん」

忠「何が？」

「お互いに,知りすぎてんねん…だから,皆の事を思う程…辛いねん」

忠「……ｯ…………」

「今まで,貰った喜びの返ししたい…笑わせてくれたり,ほめてくれたり…ありがとうｯて心込めてくれたり…でも…もう,終わりやｯｯ」

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