恋×2(完結)


[01]宣言


『ごめん。嬉しいけど……
俺、好きな人がほかにいるんだ。お前のこと、友達にしか見れない』

お前の初恋に、残酷な終了宣言をしたのは俺。
でも、それは俺の初恋を終わらせるきっかけであり、
2度目のほろ苦い恋の始まりでもあった。


あの日、お前は、大きな瞳に溢れそうなほどの涙を浮かべていた。
だけど、笑ったんだ。
その泣きそうな瞳のままで…

その笑顔は…不思議ときれいだった。


あの日から、お前の親友を見ながら、お前を見るようになった。
はじめは、あの子が気になって、お前らを見てた。
…それは、本当のこと。
でも、だんだんとお前だけを見る回数が、増えてきた。

俺を好きだ、と言ってくれたお前に、興味を持った。
…それも、本当のこと。

俺が、終了宣告を出した直後のお前は、周りが心配するほど落ち込んでいた。
でも、徐々に立ち直っていった。

俺を好きだったことを忘れて、新しい恋を始めた。

お前の2度目の恋の相手は、お前の親友さえも知らない年上の男。
お前がコクって、付き合い始めた。

その日から、お前は変わった。キレイでかわいくなっていった。
俺の目が釘付けになるほどに…

俺の2度目の恋は、今も…続いている。
俺は、お前が、好きなんだ。


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