本編「〓Taboo〓〜タブー〜」@


[02]Prologue〜プロローグ〜


辺りはもう大分暗くなっていた。

ラルは体力に自信はあるほうだったが今回の目的地はあまりにも遠すぎる。

伝達係のやつは3日程で着くと言っていたのにもう教会を出て7日目だ!
また距離計測を間違えやがって...などとブツブツ文句を言いながら草木をかき分けて進んだ。

「どうした?疲れたか?」
ラルの前を進むベラトリックスは立ち止まり声をかけた。

「いえ、大丈夫ですファエイン大佐。お気遣いいただき...」
「あぁいーいーいーいー、堅苦しいことは止めろ。年も2つしか違わねーんだ」

ベラトリックスは手をふりなからおどけた顔を見せた。
この人はいつもそうだ。24という若さで大佐までのし上がったが、権威とかにはまるで淡白で部下にも分け隔てなく接していた。
そんな大佐を私は嫌いではなかった。

「さぁてここでお別れかな」
「大佐はすぐ任務につかれるのですか?」
「あぁ、まだ『時止まりの城』の事件が解決してねぇーからな。たっくまだ全然足元も掴めてねーんだよなぁ」
「それでは私はこれで」
「おぅ。お前女なんだから無理するなよ」


ラルはフードをかぶり前へと進んだ。

月が綺麗だ。
そういえば母親と一緒によく夜に外へ出て月を見たっけ。
月にはうさぎがいるとか...言ってたかな...。

あとどれくらいで村に着くのだろうか。
長いマントが木にひっかかる。
早く村に着かなければ。


今夜もどこかで、

禁忌の起こる前に...


fin...

[前n] [次n]
[*]ボタンで前n
[#]ボタンで次n
[←戻る]




Copyright(C)2007- PROJECT ZERO co.,ltd. All Rights Reserved.