第零.五章


[05]この胸の中だけ


何故か急に懐かしい
気持ちになって
昔の校舎に忍び込んだ

錆び付いた鉄棒
捨てられた運動靴
ぼろぼろのベンチに
座り込んだ

遠くに古い小屋を発見
そうそう昔は
ウサギを飼ってたな・・・・


今見るとそこにウサギはいない。
ニワトリが
一匹固くなってた・・


遠くに一人うっすらと少年の影

急に僕に話し掛けて来た。



『オッサン、
そこでなにしてんだい?』


「ああ、なんか急になつかしくなっちゃってね、ところで君は誰だい?」


『僕?僕は君だよ三十年前の。』


「おいおい、大人をからかうもんじゃないよ。」


『まぁ、信じる信じないは勝手だけどさ、ところで、僕の夢は叶えられてる?』


「コメディアンになりたい夢だったけな?まぁ、それに近い仕事してるよ。」


『ふ〜ん、じぁ、しあわせだね。』


「しあわせ、なのかなぁ?・・・元々、しあわせって何だろうね?」


『やりたい事やってるんだからしあわせだろ??』


「そうかぁ、じぁ僕はしあわせだね。」


『おいおい、しっかりしてくれよ、いい年こいて今年で三十九だろ?背中曲がってるぜオッサン!!さて、僕はもうそろそろ行かなきゃ。・・・・』


「もう行くのかい?また逢えるかなぁ?」


『君が逢いたいと思ったら、いつでも逢えるさ、だって僕は君の心の中に住んでいるのだから。』





そういって、
少年は闇に消えて
僕はまた一人になった


思い出は
この胸の中だけ

夢は
この胸の中だけ

故郷は
この胸の中だけ

希望は
この胸の中だけ

君は
この胸の中だけ

人生は
この胸の中だけ

心は
この胸の中だけ

歌は
この胸の中だけ

唄は
この胸の中だけ
この胸の中だけ
この胸の中だけ






by フラワーカンパニーズANDしょういた


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