第零.二章


[01]サスライサムライ


錆びた刀をぶら下げて。
朽ちた下駄をカタカタ鳴す。
錆びた刀は人を切らずに、朽ちた下駄は幾千の歩みを見続けて今散る、侍に何思う。

サスライサムライ
淋しき夜を生き。

サスライサムライ
昼と朝の狭間で、

サスライサムライ
沈まぬ月に何思う。

今はただ
何処まで翔べるかは、わからないけど、
幾千の夜が過ぎようが、下駄の帯が切れようが、刀が折れようが、
儂はそこへ行く。

翔ぶ。

翔ぶ。

あのところまで。



by しょういた。


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