第零.九章 〜いつの日か、また会いましょ〜


[07]緑、舞うと、明後日


並木道を過ぎると、
そこは港だった。

今、
さっきまで、
繁華街にいたのに・・・・、

気持ちが一瞬にして
溶けてしまった。

独特の潮の香り
フェリーの汽笛
緑の海
全てが五感をつくものだ。




ふと気がつくと
太陽は西に傾いて、
赤くなっていた。

ほっぺたが熱い、
赤くなっていた。

時計台に目をやる、
四時四分。
凍りつく息。
ミニスカートの女子高生。
通る。
後ろには、黒猫がいる。
尻尾には赤いリボンが、

女の子に話しかけて見ると、
無視された。
しかし、
振り返って、
そして、少し微笑んで
『おかえり。』
の、
一言。

僕は、立ち尽くした。この、世界は何?
この、「ここ」は、
何?
不安になってくる。
四時五分。
溜め息混じりの空間。
平行別世界。

ふっと、風が舞うと、
声が聞こえる。

『●★ちゃ・・●★ちゃん!』

目を開けると、
そこは、教室。

『おい!どんだけ寝とん?』
『学校終わったぞ!』『お前昼からずっと
寝てたな(笑)』

夢・・・・。?

夢・・

夢?


机にあの時と同じ風、

緑の葉が舞う、
明後日に向かって。


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