第零章


[06]粉雪が止む前に。


かじかんだ手を取ってくださった。
昔、じいさまがばあさまに、プロポーズする前の事である。
冬はさむい、・・・・分かっているのに
手は素肌。
手ぬぐいを巻き付けづに、草をかる。
外は一面の粉雪だが、二人が暮らすには、
まだ少ない、・
歳を取っても、
変わらないものが
有る限り。
僕はそれを肌で刈る。
・・・・・・・
粉雪が止む前に。


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