ＮＡＯ

[01]１出会い

夜も更けて、誰もいない畑道に車を止め、激しい尿意に我慢出来ず畑に立ちｼｮﾝした。
膀胱が縮んでいくような何とも言えない解放感に浸っていると…
ふと車のﾗｲﾄに照らされた先を見つめると…
人影が…。
白い服を着た髪の長い人が、近付いて来る。
もしかして…この世の人…じゃない？
"ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ"
怖さで体が震えたのかｼｮﾝﾍﾞﾝで震えたのかわからなかったが、とにかく怖かったので車に乗り込んだ!!
すると白い服の人は走って俺の車に向かってきた。
ﾔﾊﾞｲ…そう思ったのも遅く車の前に立っている。
おそるおそる窓を開けると、その人は『すいません！少し乗せていただけませんか？』と言ってきた。
そんな見ず知らずの人を簡単に乗せるわけない。『無理です！』俺はそう言いたかったが、その人が続けて『旦那に降ろされてここがどこかわかんないんです…』と泣きながら訴えてきた。このｸｿ寒い中、泣きながら見ず知らずの俺に助けを求めるんだから、本当に困ってるんだと思い…助手席に乗せてあげた…。
『ﾎﾝﾄにありがとうございます……』
それがNaoとの出会い。

[次㌻] ［*］ﾎﾞﾀﾝで前㌻
［#］ﾎﾞﾀﾝで次㌻

[←戻る]

ＮＡＯ

[01]１ 出会い

[01]１出会い