第七章


[01]伝わらない…悲しみ


貴方が好きです…
でも最近の貴方は少し怖い…

ねえ…僕を視てる?


母親から元気で暮らしているか心配なので、顔を見せて欲しいと言われた。
嬉しかった。
やっと僕のことを見てくれようとしたから。

一緒に喜んでくれると思ったんだ。

そんな変な顔しないでよ…!
僕は貴方を裏切らないし、離れたりしない!
あの絶望から救ってくれた貴方から

「…痛い」
セックス後に隣でタバコを吸っている彼を睨む。
「ごめん…我慢できなかったから」
苦笑いで僕の腰を撫でてくれた。
「でも君が悪いんだよ?」
なんで?
「あんなに家族が嫌いだと言っていたくせに…あんな…」
つらそうに顔を歪める。
どうして?
「俺から離れようとしたら…」
僕の耳元に唇を近づけ囁いた。


「君を殺してしまいたくなる」
ふっと柔らかく笑い、僕の髪を撫でる。

「本気だよ。それぐらい君が好きだよ」

背筋がゾッとしたがそれ以上に悲しかった。

僕の思いは伝わらない…
彼の心に届かない…
それが悲しい。

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