第五章


[01]その愛に生きてる


彼が、スポーツバックに少しの荷物を詰めて俺のマンションに来た。
「今日からよろしくね」と。
まぶしい程の笑顔。
愛おしくて、涙が出た。
彼と暮らすようになって、全てが変わった。
朝「おはよう」と言い、ご飯の時は「いただきます」と言い夜眠る時に「おやすみ」と言う。
当たり前の会話。
だが、お互いに手にしなかった当たり前の「日常」。

彼はくすぐったそうに笑う。

「幸せだね」と。
頷いて、頭を撫でると柔らかく微笑む。
神様がもしいるのなら、お願いがあります。
やっと見つけた安らぎを奪わないで
同性でも愛してるんです
どうかこんな些細な愛を壊さないで…


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