恋人


[23]嵐


―唯SIDE―



隼人がこの学校に来た。



なんで・・・なんで今更。



考えても訳が分からない。


無駄って事は分かってる。


隼人は何しに此処に来たの?


「唯!ちょっといい?」

隼人が話かけて来た。


『良いですよ。』



私は表向きで言った。



―――――裏階段




裏階段、誰も利用しない場所。


話、聞かれたくないからちょうどいいけど。



『何?話って?』

こう言う私はかなり低い声で言ったと思う。



「相変わらず冷たいな〜。用件を言えば、俺とより戻そう。」



『無理、私、彼氏居るから。』



もちろん、即答。


「あいつだろう?彼氏って確か、高橋 彰。」



『なんで知ってるの?』



「噂だもん。お前と高橋。けど、高橋じゃ釣り合わない。俺の方がお前を沢山知ってる。」


絞り出すように隼人が言った。




『っつ!!!だから何?』

私は少し動揺して言った。








「俺は唯がまだ好きだ!」



・・・ふざけないでよ!


まだ好きなんて・・・・・

好きなんて聞きたくない。

『何、今更言ってんの?隼人が・・・・隼人が私を捨てたんでしょう?あんたは最低だよ!!』


本当・・・・最低。


「最低なのは分かってる!だけど!だけど、唯が忘れられないんだよ!」






『もう・・・・、もう聞きたくない!!』









私は隼人の話を聞かずに逃げた。







私も・・・・ズルイんだ。

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