アコガレ


[08]キュウジツ


休日になった。しかし、どうするかな…あのガオガランを作るかな…いや、どうせなら有意義に使うべきだよな。うん。
「にぃに〜入るよ〜」
美也か…
「なんだ美也」
「にぃに今日暇でしょ?なら買い物に付き合ってよ」
「なんでお前と行かなきゃいけないんだよ…」
「いいじゃん!」
どうしようかな…
「わかったよ」
「やったー!なら準備して」
僕と美也は買い物に出掛けた。美也と本屋や商店街をぶらぶらした。
「にししし、色々買ったね、にぃに」
「お前、僕を荷物持ちにさせるつもりで誘ったな」
「え〜そんなことないよ」
しばらく歩いた。そして河原を歩いていた。
「あれ、逢ちゃんじゃない?」
「七咲?」
七咲は河原を走り込んでいた。休日もちゃんと努力してたんだな…
「お〜い逢ちゃん」
美也は叫んだ。
「あれ、美也ちゃんと橘先輩」
七咲はそう言いながら走ってきた。
「何やってるの?走り込み?」
美也は言った。
「うん、休みでも体を動かさないとね」
「七咲は努力してたんだな。」
「え…そんなことないですよ…」
「いや、水泳にしても努力してるから期待の新人って言われてるんだと思うけど」
僕と七咲は話した。七咲は誉めたからか少し照れていた。
「ねぇ…二人そんな仲良かった?」
美也がいたのを忘れてた!
「なんか二人の世界だから〜みたいにしちゃって」
「え、美也ちゃんそんなことは…」
「そうだぞ美也。」
美也は納得がいかなそうだった。話をうまく変えるか…
「そうだ七咲、休みはいつもこうしてるのか?」
「はい、時間があれば。」
「ならまた休みでも会えるかもしれないな」
「そうですね」
七咲は笑いながら答えた
「じゃあ美也、そろそろ帰るか?」
「む〜そうだね。じゃあね逢ちゃん」
「またな七咲」
「じゃあね美也ちゃん。橘先輩、失礼します」
七咲は走っていった。美也は帰り不機嫌だったが、家で買ったケーキを食べたらすぐ機嫌がなおった。単純だな…
そして夜、最近のことを考えた。二年前から僕は女の子を避けていた。確かに薫や梨穂子みたいに仲のいい奴はいるが、それは異性とは違うしな。…何かが変わるような気がする。今年のクリスマスは…

その頃七咲は…
うん、あれ、夢か…まさか橘先輩が出てくるなんて…クス、でも橘先輩、夢ぐらいカッコよくしてくれてもいいのに…
橘先輩と会うと少し安心して、胸がくすぐられるようになる。少し前まで、頼りないとしか思わなかったのに…
先輩、早く会いたいです

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