デアイ


[08]ブカツ


僕は放課後言われた通りプリントを早めに取りに行き、教卓に置いた。ふぅ、終わった。帰ろう。
僕は暇だし学校を歩きながら帰ろうかと思った。あれ…前にいるのは一年かな…プリントを抱えてる。髪型があれはツインテールってやつだな。ん…男の僕でも重かったものを女の子にまさか持たせてるのか!もうなんかフラフラしてる!あっ持ち直した。でもまた…ええい、見てらんない…
「大丈夫?」
「ええ?あ…いえ、その」
「ごめん、これ僕も運んだけど女の子じゃ無理だよ。半分持つよ」
「…えっ、は、はい」
僕はプリントを半分持った。どうしたんだろ?この娘顔が真っ赤だ。最近こんなことがあったような…
「あの、こ、こ、私のクラスです…」
「あ、ここか…」
あれ、美也のクラスじゃないか。
「じゃあここに置くね」
「はい、あ、ありがとう…ご、ございます。」
「別に気にしないでよ」
「あ、あの、私、失礼します!」
あ…行っちゃった…にしても女の子にあんな…今度美也に問い詰めてやる。
僕はフラフラしていたら何故かプールに来ていた。いや、これは…覗きじゃないからな。僕はきれいなフォームからなる芸術を見にきたんだ!やましいことは断じてない!
僕はプールを覗いてみた。あれ、七咲?
「先輩何をやってるんです?」
「いや…七咲がいたから何かなって」
「…」
「本当だって!」
「今は練習中ですから、部外者は出て行ってくださいね。これ以上いるなら庇いきれませんよ。」
「ごめん、すぐでるよ」
僕はすぐにプールを後にした。さすがに覗き扱いはゴメンだ。 そしてそのまま帰った。
「美也、お前のクラスはどうなってるんだ?」
「ひいぃ、にぃに急に何?」
「今日創設祭のプリント運びをしたんだよ。そしたら美也のクラスの娘がよろよろしながら運んでたぞ!あれは何なんだ!」
「あれを運んだのは…あ、確か出席番号で紗江ちゃん!でもなんでにぃにが知ってるの?」
「その娘が危なっかしいから手伝ったんだ。」
「え…そんなに大変だったなんて知らなかった」
「そうなのか?」
「うん、だって担任の先生も新しくきたって言う先生だし、みんなも知らなかったと思う」
「なんだそうだったのか…てっきりなんかの策略かと…」
「紗江ちゃん、最近転入してきたばかりなんだ。だからクラスメートにも言いにくかったんじゃない?」

「そうだよな…すまん美也、怒ったりしてな」
「ううん、みゃーも紗江ちゃんには困ったらいつでも言ってねって言ったんだけど、でももっと気をつけにきゃね!ありがとうにぃに!」
僕は納得した。何を一人で興奮してたんだ…

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