デアイ


[07]カシカリ


僕は昼休み暇になり屋上にきていた。なんだこのすがすがしさ。ここで読む漫画が一味ちがう感じを醸し出す。
「先輩?」
「ん… あ、七咲」
「何をしてるんですか?」
「いや…漫画を読んでいたんだ。」
「あっこれあの映画になった作品ですよね?」
「いや、美也が好きでさ、だから買ってきて互いに貸し借りして読んだりしてるんだ」
「そうなんですか…私そういうのが無いので結構うらやましいです。」
「七咲は兄弟は?」
「はい、弟がいます。ただ、小学校一年なんであんま漫画は…」
「ははは、そうだよね。良かったら明日なんかもってくる?」
「えっいいんですか?じゃあ私も何か持ってきます。」
「じゃあ明日の休み時間にでも」
「はい、楽しみにしてますね」
七咲は笑っていた。初めはクールな感じだったのにな…
「では、創設祭の委員を決めたいと思います。」
授業になり担任の高橋先生が言った。高橋先生は20代後半の美人な先生で、独身らしい。もったいない…僕があと10年早く産まれてたら…なんてね。それにしてもやった!これを決めるために授業がホームルームになったぞ!しかし誰も立候補しない。そりゃそんなのやりたがらないよな…創設祭はウチの学校の行事で、クリスマスイブに行われる。サンタコンテストやら色々やるんだよな
「先生、私で務まるかわかりませんが…」
クラス委員の絢辻さんが言った。絢辻さんはいつも成績もよく、運動もでき人気もあり、さらにクラス委員。すごいな。正に完全無欠な優等生。
「でも絢辻さん。クラス委員との掛け持ちで大丈夫?」
「いえ、今は特にクラス委員は仕事はありませんし、皆さんのお役にたてますし」
絢辻さんは言った。そして創設祭の委員は絢辻さんに決まった。
クリスマスか…結局二年前の時からあまりいい気分じゃない。でもなんか今年は変わるような気がするんだ。いや、変えなきゃな…
「あと、保護者向けの創設祭のプリントを放課後に運んでほしいんだけど…」
高橋先生は言った。誰がそれこそやるんだ。
「先生ついでにやっておきましょうか?」
絢辻さんはまた手を挙げる。
「絢辻さんばかりに頼りきりじゃクラスとして悪いわ。じゃあー目が合ったから橘くん、お願いね。」
「はい?ええ…」
「そんな顔しない。お願いね。教卓に置いてくれればいいから」
何てことだ。仕方ない。放課後やるか…

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