アコガレ


[06]オレイ


僕は次の日になり、梅原に滑り台のことを話した。
「え、あれイカじゃなかったのか…大将、でもなんで分かったんだ?」
「昨日見に行って確認したんだ」
「そうか…ま、なんか懐かしいよな」
僕と梅原は昔を懐かしんだ。いい時代だったな。
さて…昼も食べたし噴水でも見ながらゆっくりするかな…そういえば七咲、あんな怖がってたな。大丈夫かな?
「先輩」
あれ、七咲じゃないか
「七咲、どうした?」「いえ…用と言うわけでは…」
「あんなに昨日怖がってたけど大丈夫か?」
「はい、それは大丈夫です…実はお礼がしたくて…」
「お礼?そんな…」
言い終わる前に七咲は近づいてきてほっぺにキスをした。僕は何が起こったか分からなかった。七咲がキス?
「七咲…」
「これがお礼です!では私は…失礼します!」
七咲は顔を赤くしながら走っていった。お礼か…
そんなことを考えていたら放課後になっていた。さて帰るか…
「石〜焼き芋〜」
何、石焼き芋?僕は走った。この焼き芋屋はたまにしか来ない。いや走るしかないさ!
何とか追いついたぞ。あれ、あそこにいるのは七咲じゃないか
「七咲。」
「はい?あ、先輩」
「もしかして七咲も買う?」
「あ、はい」
「なら買ってくるよ。二人分だから、600円か…しまった。200円しかない…」
「なら私が出しときます。」
「すまん、後で返すから。じゃあ言ってくるよ」
僕は焼き芋を買ってきた。二人で公園で食べることにした。
「先輩、おいしいですね。」
「うん、そうだな。でもなんで買わなかったんだ?」
「う、それは…ですね」
「まぁ言いたくないならいいよ。別にまた買えなかったら僕に言ってくれたらいいから。」
「え、あ、ありがとうございます…」
七咲は照れながら言っていた。やっぱり女の子が買うのは抵抗があるのかな?
「先輩、この後良かったら本屋に一緒に行っていただけませんか?」
「いいけど、なんか欲しいのがあるの?」
「はい、問題集を一緒に探していただけませんか?」
「それならお安いご用だよ」
一緒に問題集を探した。色々あるが、やはり基礎からかな…
「先輩、ありがとうございます。」
「いや、いいよ。」
「では先輩、失礼します…」
七咲はどこか寂しげだった。何でなのかな?

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