デアイ


[05]テスト


「うん、これなら大丈夫だな。」
「はい、ありがとうございます先輩」
七咲と僕はテラスで昼食を食べながら勉強をしていた。七咲は弁当を食べながら、昨日の復習を見せてきた。
「七咲は最初はどうなるかと思ったけどコツをつかんだらすぐに出来るようになったな」
「いえ、先輩のおかげです。私、先輩を誤解してました。」
「…え?そうなの?」
「初めて会った時に覗きとか失礼なことを言ってしまって…すみませんでした。」
「いや、わかってくれたらいいよ」
七咲と話しながら昼食を食べた。なんかいい雰囲気だ。…んいや、そんなことないよな
キーンコーンカーンコーン
「あ、予鈴ですね。では戻りましょうか」
「七咲、補習のテストっていつ返されるんだ?」
「あ、すぐ採点するみたいです。私とあと少ししか補習はいないそうなので」
こうして僕は教室に戻った。そして授業が終わり放課後
「ねぇ純一、昼あんた女の子といたでしょ」
薫が話しかけてきた。棚町薫、僕と梅原の中学からの悪友で、一緒のクラスだ。サバサバしていて、行動力のある奴で、男と女の友情はあるかと聞かれると、大半はないというが、僕と薫は特別な仲では無く、大切な友達どおしだし、それに当てはまるかもしれない。
「なんだよ、薫には関係ないだろ」
「いや〜そんな人がいるなら真っ先に私に報告しなきゃ駄目でしょ?」
「薫こそどうなんだよ」
「私は…まぁ想像に任せるわ。」
そんな話をしていたら結構時間が経っていた。
「こんな時間か〜純一、良かったら私のバイト先に寄ってかない?今なら新作のメニューを試しに食べられるけど?」
「うーんどうしようかな」
薫は駅前のファミレスでバイトしてんだよな。僕は悩んだ。あれ、そういえば…
僕の頭に七咲のことが浮かんだ。そうだ。七咲のテストは…
「ごめん薫。今日はやめとく。また今度な」
「そ、あ〜ごめんね、あの昼の彼女が待ってるんだ〜」
「そんなんじゃない」
「いやいや、照れなくていいって、じゃあね純一。あと新作の試食はいつでも大丈夫だから気が向いたらいってね〜」
そして僕は七咲が気になり少し待つことにした。とりあえず昇降口にいればみつかるだろ…


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