ハジマリ


[04]テンコウ


「紗江ちん、次は家庭科だよ。教室移動しよ!」
次は家庭科…調理実習みたいです。
私は美也ちゃんと逢ちゃんと同じ班です。今日は何を作るのかな…
「今日は炊き込みご飯とお味噌汁と卵焼きです」
こうして実習が始まりました。逢ちゃんは手際がよくうまいなぁ…
「あ…逢ちゃん料理上手だね…」
「え、そんなことないよ。いつも家で作ったりしてるだけだよ」
逢ちゃんはやっぱりカッコいいなぁ…美也ちゃんは…
「美也ちゃん…」
美也ちゃんは卵焼きを失敗していました…美也ちゃんは苦手みたいです。
「むー紗江ちんも逢ちゃんもなんで出来るの?」
こうして出来上がりました。私と逢ちゃんが大体を作りました。
「紗江ちんは家で料理とかするの?」
「私はやらないけど…お母さんが時間があれば教えてくれるから…」
「そっか〜」
「美也ちゃんも少しは習ったら?」
「逢ちゃん、そんなこと言わないでよ〜 」
こうして調理実習が終わりました。大変ですが、楽しい時間でした。
私は休み時間にまた屋上に行きました。…こうしているとなんだか落ち着いていれます。
「あれ、中多さん?」
「あ…橘先輩」
また先輩と…会いました…
「また風にあたりに来たの?」
「はい…」
「そういえば中多さんは前はどんな学校にいたの?」
「あ…私は小学校からずっと女子校でした…」
「あ、そっか…単なる興味なんだけど、女子校ってどんな感じなの?」
「どんな…て、その」
「あ、雰囲気とか、あと一番気になってたのは恋愛とかは共学と違って大変じゃない?」
恋愛…そんな…私
「雰囲気はそんなに変わり…ませんけど…」
「へ〜意外だな」
「恋愛とかは…その…」
「いや、言いたくなかったらいいよ。ただ、中多さんみたいな子は大変だったんじゃないかって」
「え…」
「中多さん可愛いし、手紙とかもらったりしたりしたんじゃない?」
そんな…先輩可愛いだなんて…私…恥ずかしい…
「その…手紙を貰うこと…はありました…」
「そっか…やっぱりね。」
「でも…女の子にです…」
「え…そっか…女子校だしね」
「変…ですよね?女の子どおしで…」
「…その相手が本気で好きだから、中多さんにそうしたんじゃない?それは変なことじゃないよ」
「そう…でしょうか…」
「うん、気持ちが抑えられないこともあるだろうし」
先輩はこんな話を真剣に聞いてくれて…先輩はやっぱり優しい…
「じゃ僕はそろそろ行くね。」
「あ、はい…」
こうして先輩とお話をしました…私…先輩みたいな人がいるなんて…転校して良かったです

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