アコガレ


[04]ガッコウ


僕は昼を食堂でとろうと思った。梅原もつかまらないし、テラスでぼぅっとしてるかな…
「あの先輩、ここ大丈夫ですか?」
ん…あっ七咲じゃないか
「いいけど…今日は一人?」
「いえ、実は先輩に話したいことがあって…」
「あ、そうなの?」
「はい、まず、この前は泳ぎの間違いを指摘して下さってありがとうごさいました」
深々頭を七咲は下げた。
「いや、僕は何もしてないよ。七咲が努力してるからさ」
「いえ…そんな…」
七咲が少し照れた感じだ。別にに事実を言っただけなのにな。
「あと…私小学生の弟がいるんですが…」
「え、そうなんだ。何年生?」
「はい、一年生です。それが最近あまり言うことを聞かなくて…かと思えば急にべったりしてきたり…先輩はどうでした?」
「僕はそうでもなかったかな。美也がいたからね。」
「あ、そうですよね。美也ちゃんはどうでした?」
「確かに僕の後をくっ付いて来たりはしたかな。あと急に不機嫌になったり。でもそれは愛情表現なんじゃない?」
「愛情表現…ですか?」
「うん、例えばお姉ちゃんにわがままきいて欲しいけど、それを抑えちゃうだろ?だから構ってほしいのもあり言うことを聞かなかったりするんだと思う。」
「あ、私結構弟にそうしてるかもしれないです」
「あと急に甘えるのは、何だかんだで七咲のことが好きだから、そうするんだよ。だから七咲は不安になる必要はないよ」
「そうですか…ありがとうございます。」
役に立てて良かった…ん、七咲は徒歩だからということは
「もしかして弟さんは輝日南小学校?」
「はい、よく分かりましたね」
「うん、僕もそこだったからさ」
「そうなんですか!私も輝日南ですよ」
「え、そうなの?偶然だな」
意外と世界は狭いな…七咲と僕は同じ小学校か…ならどこかで会っていたのかも…
「でもならあの大きいイカの滑り台で遊んだよな?」
「はい?…あれはタコですよ?」
「何を言う。僕の記憶が正しいぞ!」
「なら、今度確かめに行きますか?」
「いいとも。じゃあ明日の夜の9時に小学校で落ち合おうじゃないか」
「いいですよ。今のうちに、謝る練習をしたほうがいいですよ」
七咲は席から離れた。生意気にも僕に挑むとは…まぁ、結果は見えてるさ

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