第2章 苦しい


[03]未練




宿題なんか出来ずにあたしは携帯を片手に布団にダイブした。

目の前にはCDラジカセがあり、あたしはCDをセッティングして曲をかけた。

嵐のリフレイン。

あたしにとって歌詞が明とあたしの恋愛そのもの。

嵐の曲の中であたしの恋愛そのもの!!っていうのはたくさんある。

けど…そのなかでリフレインが一番あっている。

リフレインをかけてあたしは目を閉じた。



あたし達が付き合ったのは小学5年の冬…。いわば今年。真冬寸前1月下旬。

明があたしを好きなのは前からずっと分かってた。誠と五十嵐に言われてたから。

『あたしマジ明が好きだから!!』

それでも明は信じてくれなかったよね?嫌、嘘だな。って…。

その時はね。

その時は明なんか友達目線でしか考えていなかったよ。

『ホントに好きだから…信じてよ!!』

明を力強く叩いたら、明は分かった信じる。って…あたしの人指し指を握ってくれたよね?

恥ずかしがり屋の明はそれからずっと…手を繋いでくれることは無かった…。

『付き合って…?』

明の顔を伺いながら聞くと頬を赤く染めた。

『来週…まで…待て…』

途切れ途切れの言葉にあたしの胸は締め付けられた。

何故か不安になったから。

『分かった…』

誠の声が聞こえて明はとっさに握っていた指を離した。

恥ずかしがり屋なの分かってるのに…まだあたしは好きじゃなかったのに…酷く締め付けられた。

『帰るよぉ』

遠くから誠が言って明は簡単な返事を返した。

『じゃあ…来週まで待ってるね…バイバイ』

『おぅ』

明はちょっと振り向いたけどそのまま誠と寄り添って帰った。



それからあたしと明は付き合って…今年の夏に別れた。

あたしはまだ明が好き。未練がある。

でもそしたら…重い女って明に嫌われそうで…あたしは気持ちを抑えた。

けどね?

明はあたしにちょっかい出したり…話かけたり…まるでまだあたしを想ってくれてるみたいで…。

あたしはそんな明にまた振り回された。

それも楽しくて。

未練の気持ちを抑えていたのに蓋が開いて。

気持ちが…

完璧明に向いていたの…。




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