ハジマリ


[02]センパイ


「あ…美也ちゃん、お昼食べよ…」
「うん、そーしよーか。にししし、今日は珍しくお母さんがお弁当作ってくれたんだ。でも時間がなくてお兄ちゃんの分まで作れなかったみたいだけどね」
「そう…なんだ。お兄さん、残念だろうね」
「いや、多分今日は食堂で食べるからいいんじゃない?」
「あ、美也ちゃん、紗江ちゃん」
「あ、逢ちゃん今日は集まりとかじゃないの?」
「うん、今日はないけど?」
「じゃあ一緒に食べよ〜」
「それはいいけど、今日は食堂混んでるみたいだから、ここで食べない?」
「そうしようか…紗江ちんはいい?」
「あ…いいけど、じゃあ私何か買ってくるね。逢ちゃんは何か持ってきたの?」
「あ…うん、今日は朝時間があったから、自分で作ったものがあるから」
「じゃあ…行ってくるね」
私は食堂に行きました。逢ちゃん自分でお弁当作ったりしてすごいな…
食堂に行きました。でも逢ちゃんの言うとおり、混んでる…食堂の職員の方に早く言わなきゃ…
「あ…あの」
人がたくさんいて前に進めない…
「あ…あの、すみません…」
どうしよう…私…
「きゃ…」
前に進もうとしたら、はねとばされて…倒れちゅう…あ…倒れてない?誰かが私を支えてくれて…
「大丈夫?」
え…男の人?
「は…はい…大丈夫…です」
「立てる?」
「はい…」
私…やっぱり男の人は…怖い
「今日は混んでるからね。コツがあるんだ。何か買いたいなら一緒買うよ?」
「あ…あの…でも」
「いや、あんな風になってるの見たらほっとけないよ。遠慮しないで」
「はい…サラダサンドと…牛乳を…」
「じゃあ少し待ってね。」
その人はそう言って人がたくさんいるところに入りました。
「はい、なんとか残ってたよ」
「あ…ありが、とう…ご、ございます」
「はは、いいよ。」
「あ…これ…お金です」
「ありがとう。じゃあ、次は頑張ってね。コツは人の間をうまく入ることだよ」
「あ…」
その人はテラスに出ました。男の人は苦手です。でも、今の方は…少し怖くなかったです…温かい雰囲気の方でした。あ…お昼終わらないうちに、教室に戻らないと…
「紗江ちん、大丈夫だった?」
「え…美也ちゃん、大丈夫って?」
「紗江ちんあそこで買うの苦手でしょ?」
「あ…大丈夫だったよ」
「そっか、なら良かった」
「うん、ありがとう」
私はお昼休みをこうして過ごしました。
放課後、逢ちゃんは部活だったので、美也ちゃんと帰ることになりました。
「紗江ちん、どこか寄っていかない?」
「うん、いいけど、どこ…行くの?」
「そうだな〜駅前のファミレスでお茶でも飲まない?」
「あ…うん」
「じゃあ行こう!」
私達は少し歩きました。それで今日のお昼の方についてのお話をしました。
「ふ〜ん。そんな親切な人がいるんだね。」
「うん、なんか優しい雰囲気の人だったよ」
「あれ、前歩いてるのお兄ちゃんだ。」
「あれ?お兄さん…?」

あれ…お昼の方…
「美也ちゃん、あの人、その…」
「お兄ちゃんがどうかしたの?」
「その…お昼の時に助けてくれた人なんだ…」
「えー!そうなの?お兄ちゃんがそんなことしたの?」
「うん…」
あの方が美也ちゃんのお兄さんだったなんて…
「あれ、美也じゃないか、どうしたんだ」
あ…こっちにきます。どうしよう…
「あ…お兄ちゃん、今帰り?」
「ああ、あれ、昼の…」
「…あ…はい…」
「お兄ちゃん、紗江ちんから聞いたけど…」
「あ、昼のことか?」
「うん、お兄ちゃんも少しはいいとこあるじゃん」
「少しはか…」
「あ、そういえば紹介してなかったね。私のクラスメートの中多紗江ちゃん!」
「あの…その…よろしくお願い…します」
「はは、よろしくね。僕は美也の兄の橘純一。よろしく!」
なんだか温かい雰囲気な人で、話しやすい…
「じゃあ僕は帰るから、美也も遅くなるなよ」
「うん」
こうして橘先輩とお知り合いになりました。
「美也ちゃんのお兄さん、優しそうだね…」
「ううん、そんなことないよ。いつもはあんなのじゃないし」
そしてファミレスに行きました。あまりファミレスは入らなかったけど…美也ちゃんが誘ってくれて良かった…
「結局ケーキも食べちゃったね〜」
「うん…でもおいしかった」
「そうだね〜じゃあまた明日ね」
「うん…じゃあね…」
こうして一日が終わりました。なんだか楽しい一日でした

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