アコガレ


[02]ターン


そして次の日の放課後、補習に行かなくては。梨穂子と行かなきゃな。
「あっ、純一今から行く?」
梨穂子が後ろから話しかけてきた。
「ああ、じゃあ行くか?」
「うん」
プールまで一緒に歩いた。
「梨穂子ずっと補習受けてないか?」
「うん、多分もうちょっとやらなきゃいけないみたいなんだよね〜」
「いいじゃないか、ちょうど運動になって。ダイエットにもな」
「もぅ〜意地悪」
そしてプールに付き、着替えてプールサイドで待った。あれ、女子の水泳部の部活も同時にやるみたいだ。まずいな、男子は僕くらいしかいないじゃないか!
「純一、今日は部活もあっちでやるらしいよ」
「ていうか補習僕と梨穂子しかいないじゃないか!」
「うん、そうだよ。いつも私しか補習いないから、つまんなかったんだ。今日は純一がいて良かった〜」
そして先生が来て、補習のメニューを言った。
「桜井はいつもどおりで、橘、お前の休んだ日は400泳いだから、往復を8回な。」何?結構多いじゃないか!だが、水泳は小学生の時と中学の時に夏休みよく行ってたからそれなりにはできるぞ。
仕方ない。早く終わらせて、今日はゆっくりゲームでもしよう!
僕は初めから早めのペースで泳いだ。そしてターンだ。そう、昔梅原とこれだけ練習を重ねたんだ。クイックターンだ!クロールで泳ぎながら、思い切り回転し、壁を蹴った。それを繰り返し、何とか半分終わった。
「はぁはぁ、何とか半分か…」
「純一そんな泳ぎうまかったっけ?」
梨穂子…ビート板で必死に泳ぐが進まない…
「梅原とターンだけ練習したんだよ」
「へぇーすごいね〜」
僕は息を整え泳ぎきり、何とか終わらせた。
「じゃあ橘。これで補習は終わりだ」
先生は言った。
「純一〜行っちゃうの?」
梨穂子…全然終わらないみたいだな。仕方ない
「あの先生、もう少し泳いでもいいですか?」
「かまわないが…桜井が終わったら上がるがいいか?」
「それで大丈夫です。」
「純一…」
僕は仕方なく梨穂子が終わるまで泳ぐことにした。


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