デアイ


[02]イモウト


「にししし、にぃに何かあったの?」
家でコタツに入りぼーとしていたら妹の美也が話してきた。美也は僕と同じ高校の一年生だ。
「別に何もないよ…ていうかお前こそそんなんでいいのか?」
「なにが?」
「お前…この前の期末で社会がやばくて補修になったろ?」
「にししし、だから、にぃにが教えてよ?」
全く…勉強してないのか…ただ見捨てるのも気分悪いな…
「分かった。じゃあ今教えるか?」
「うん、あと明日放課後図書室で教えてよ。友達も教えてほしいんだって。」
やれやれ…美也と同じ考えの奴がいたか…
「なら今少しと明日だな。じゃあ早速やるか」
そうして美也に勉強を教えた。こいつは基礎からキッチリしてやる必要がありそうだ…
そして次の日の放課後、僕は図書室に向かった。
「お兄ちゃん、こっちこっち」
美也がすでに来ていた。学校だと美也はにぃにとは言わずお兄ちゃんと呼ぶのはあまりベタベタするなと言ったからだ。しかしそれもこれじゃ…
「お兄ちゃん、こちらクラスメートの逢ちゃん!一緒に教えてね。」
僕はその娘を見た。あれ、この前の校舎裏で会った娘じゃないか…

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