デアイ


[10]カンソウ


授業も終わり、借りた漫画を読んだ。うーん、なかなかだな。これはバトルしてるだけに見えて実は骨太なドラマか…すごい!
「おーい大将、何読んでんだ。」
「梅原か…これ借りたんだが、面白いんだ。」
「へぇー誰に借りたんだ?」
「ん、後輩にな」
「橘、部活とか入ってないから知ってる後輩とかいなそうだと思ってたが、しっかりしてたんだな。」
「何だよそれは…」
「いや、そう怒るなって!帰ろうぜ。今日はゲーセンに新しいゲームが入るらしい」
「なに、そうなのか?なら早く行かなきゃな」
僕と梅原は学校を出た。下校時刻だから、みんなぞろぞろ学校を出て行く。あれ、あの二人は…
「おい橘。森島先輩と塚原先輩を帰りに見れるなんてラッキーだな。」
森島先輩…学校の中でも一番人気女子だ。色んな奴が告白して振られたらしい。しかしみんな森島先輩を嫌ったり憎んだりしない。不思議な人だよな…塚原先輩は森島先輩の友達で、いつも一緒にいるよな。塚原先輩はなんか落ち着いていてなんかいいよな…
「いいよな〜森島先輩、本当に綺麗だよな!」
梅原は力説した。僕は少し前まで森島先輩に憧れていた。でも今は少し違う。なんか近くにもっと気になる人がいるから…
次の日
「先輩、ありがとうごさいました。この漫画、作者がすごい面白いこと描いてますよね。」
「そうだね。七咲の貸してくれたのもストーリーが良かったよ。」
七咲に漫画を返した。僕はなんか七咲と色んなことを共有してるような気がした。
「先輩?」
「あ、いや…なんでもない。」
「そうですか、では授業も始まりますし、失礼します。」
初めは生意気な奴だと思ってた後輩。でも僕よりずっとしっかりしていている。でも勉強はちょっと苦手。僕は七咲を少し知れた気がした
そして夜
僕はビーバーの漫画を読みながら寝ようとしていた…クリスマスも近いのにこれでいいのかと自問しながら…
一方その頃…七咲は…
「橘先輩か…なんだか頼りなくて、美也ちゃんが心配するくらいだし。エッチだし。でもたまに頼れる時も…ふふ、明日も会えたらいいな。そうしたら、明日が楽しくなるかもしれないし」

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