†序章／悪夢†

[01]始

初めまして、こんにちは。僕の名前は大今紘慈(オオイマコウジ)です。

僕は今、夢を見ているんだと思います。

だって、僕は只の一般高校生。

最近理系女子が流行ってるんなら僕は文系男子なんだ。

いや、そんな事じゃなくて、

いや、そう。

僕は文系だ。

理系じゃない。

だから、医学の知識なんて一つもない。

なのに、

なんで、

この人は、

僕の前に立ってるんだ!!

目の前は窓。

しかも僕の部屋は一戸建ての二階。

でもそこに、血だらけの男の人(？)が立っている訳で、

僕は可愛い女子みたいに叫ぶわけでもなく、只只彼を見据えていたんだ。

彼は暫くして、立っているのが限界になったのか、足で窓を蹴った。

ついつい、開けてしまう僕。

この時にやめておけば良かったんだ。

｢誰だ、てめぇ？｣

沈黙を破ったのは彼だった。

｢あ、大今紘慈です。｣

なんで答えてしまったのか分からない。

そもそも、その質問は僕がするべき筈なのに。

これが運命って奴だとしたら、僕は神様を絞め殺してやる。

｢へぇ。よろしくな、紘慈。｣

｢え？｣

そう、これが僕の悪夢の始まり…‥。
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