第三章


[01]決意


2時間目からの私はずっと外を見て、心がどこかに行っていた。
二宮先生のことしか考えられなくなっていた。

「翔ちゃん!!」
後ろの席の真由美が私の背中をシャープペンシルで突く。
「二宮先生だよ!!!」
真由美が指差す方向には二宮先生がいた。
「あ…。次社会科だったんだ」
二宮先生は私達の担任でもあって社会科の先生でもある。
「保健室行くよ…。」
私は席を立って保健室に向かう。


「どーした!」
二宮先生にばれた。
「別に…。」
私が冷たく言うと、先生は困った顔をした。
そして優しく笑った。
「そうか…。」
声が少し寂しく聞こえた。二宮先生は教室に入って行った。

私は廊下の壁に寄り掛かって座った。
「先生……。」
先生は私みたいな生徒が嫌いなんだ…。




その日から私は先生を避けはじめることを決意した。
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