変化


[01]苦痛の始まり


変な症状が出始めたのは高校に入学してから。

まず、先生が黒板に書いた文章をノートに写すのにすごく時間がかかるようになった。

ちゃんと写せているのか不安になり、書いた文字を何度も確認するようになった。

その時の頭の中は、
「どこか間違って書いたかもしれない」

「いやいや、ちゃんと書いたでしょ」

「でも、どこか書き忘れてたら試験の時に大変だし…」
なんて混乱してた。

そしてもう一つ厄介だったのが、
「字を綺麗に書かなきゃ」
と、思うことだった。

でも、実際私が普通にノートをとっている時はそれほど字は汚くなかった。

だから、本当は気にする必要はなかった。

しかし、その時はどんなに丁寧に、綺麗に書いても、汚く、歪んで見えた。

だから何度も何度も書き直した。

「ノートを提出する」
と、言われた時は特に神経を尖らせていた。

「こんな汚い字じゃノートの採点悪くなるかもしれない」
と、すごく不安になった。

しかし、こんなことをしている間にも、当然授業は進んでしまう。

「勉強遅れるわけにはいかない。でも、気になる」
と、苦痛が増してきた私は、普通のノートの他にルーズリーフを用意して、それに黒板の内容を書くことにした。

これならいくら汚く書いても大丈夫だし、授業に遅れることもない……

それからの授業は、全部ルーズリーフのにほとんど殴り書きのような汚い字で必死に黒板の字を写していった。

「綺麗に書かなくてもいい、ノートを提出する時には本物のノートにゆっくり写せばいい」
と、思うようになってから、少し気持ちが楽になった。

しかし、本物のノートに写す時もまた、苦痛でたまらなかった。

相変わらず「書き忘れ」「書き間違え」が気になり、なかなか写す作業が進まなかった。

ひどい時には、夜19時に始まって、終わるのが翌朝6時。



……………………。。



ホントひどいね。。
これ書いてる今でもその時の苦痛が鮮明に思い出されるよ。。


また、試験の時も上記の2つの症状に悩まされ、本物に大変だった。

「名前は書き忘れていないか」

「回答欄の場所は間違っていないか」

「字は綺麗か」

「答えは間違っていないか」
などなど……


思い出したらキリがない程の心配を抱えて毎回試験に臨んでいた。


だいたい最初の20分くらいで問題を解き終わるので、後はひたすら確認。

特に字が綺麗かどうかは試験の時はなおさら気になった。

少しでも汚いと思ったら、当然の如く書き直し。

他の人は、解き終わったら寝ていたり、ボケっとしていたりするのに、私だけ違う意味で必死だった。

学校での変な行動はこんなものかな。

ちなみに今書いたこの行為は、その後入学する専門学校でも続きます。
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