強迫性障害について


[01]病気の解説と治療法


強迫性障害は、別名OCD(Obsessive Compulsive Disorder)とも呼ばれている心の病気です。
以前は強迫神経症と呼ばれていました。
この病気の主な症状は、不要な考えが心の中に繰り返し起こる「強迫観念」と、それを打ち消す為に行われる様々な「強迫行為」です。
患者さん自身も、「意味がない」「馬鹿げている」ということはわかっていても不安なイメージや考えを打ち消すために様々な行為を行なってしまいます。その為に多くの時間を費やし、時には日常生活に支障が出てしまいます。
本人もおかしなことだと自覚しているのに強迫観念から逃れられず、強迫行為をやめられません。
また、どんなに繰り返し強迫行為を行なっても、不安や不快感を消し去ることができないところにこの病気の辛さがあります。



強迫観念とは?→嫌な考えやイメージが繰り返し生じる

強迫行為とは?→強迫観念を打ち消す為に行われる様々な行為。強迫儀式とも言う。



*症状の例*

・トイレに行った後、バイ菌などに汚染されていると感じ、何度も手を洗う。
・家を出る時、鍵をかけたかどうか不安になり、何度も戻って確認する。
・本がすべて「あいうえお」順に並んでいないと気が済まない、必ず左右対称でなければいけない等、物の配置や物への接触に強いこだわりがある。
・4や9等、ある数字が不吉に感じられ、どんな行為もその数字の回数になることを避けて実行しようとする。
などなど




強迫性障害の患者さんは自分の強迫観念や強迫行為を人に知られないように隠すことが多いです。
しかし、症状が隠せない程になると、家族や友人等との人間関係に悪影響が出ます。
家族の場合は巻き込まれ、掃除を強要されるなど強迫行為を手伝わなければならなくなることもあります。
また、症状のせいでスムーズに行動できなくなるので仕事を続けられなくなったり、人間関係を避けて引きこもるようになることもあります。



*どうすれば治る?*



強迫性障害は適切な治療によって治ります。症状の程度も現れ方も人それぞれなので、まずは通院しやすい地域にある病院の精神科や精神神経科を受診しましょう。
そして専門医に強迫性障害かどうか診断してもらいます。
治療法には、大きくわけて「薬物療法」と「行動療法」があり、多くの場合は両方が併用されます。
どちらの治療法も、専門医の指導のもと、長期間かけて行います。
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