シンポ


[01]ヤサシサ


先生に提出するプリントを渡そうと思ったら…先生茶道室にいるなんて…お昼も食べてないし…ちょっと怖いけど校舎裏を通っていこう…
あれ…橘先輩…何をしてるんだろ…あ…花壇のお花を直して…先輩…
「あの…橘先輩…」
「あ…中多さん、どうかした?」
「先輩…優しい…」
「何が?」
「花壇のお花を直して…先輩素敵です…」
「いや、気になってさ。誰かが直さなきゃ駄目だしね」
先輩…やっぱりカッコいい…
「中多さん、今からお昼?」
「あ、はい…」
「じゃあ僕も用が済んだから一緒に食堂でも行く?」
「あ、はい…」
こうして先輩と食堂に行きました。先輩と少しお話が出来るようになったと思います。
「先輩、何食べますか?」
「うーん、うどんにしようかな。安いしね。」
「そうですか…私は…」
「あ、ならまとめて買ってくるよ。中多さん、買うの苦手でしょ?」
「あ…でも…」
「いいから、またこの前と同じでいいの?」
「はい…お願いします…」
先輩、私が前のこと覚えてくれてたんだ…
「はいどうぞ」
「あ…ありがとうございます」
「じゃあテラスにでも行く?」
「あ…はい」
先輩とお昼を食べました。先輩、うどんだけでお腹いっぱいになるのかな…
「う〜んやっぱりここのうどんはうまいな」
「そう…なんですか?」
「うん、出汁がなかなかね。」
「私も今度食べてみます。」
「うん、オススメだよ」
先輩は笑いながら話していました…
「じゃあそろそろ戻ろうか…ん?」
先輩?
「どうか…しました…」
「いやさ、あっち見てよ」
あ…確かあの先輩は…森島はるか先輩…美也ちゃんから聞いたけど、学校ですごい人気があって、男子生徒の憧れてだって…
「森島…先輩ですよね」
「うん、なんかみんな森島先輩見てるからさ。すごいなって」
「先輩も…好きなんですか?」
「え?あ、森島先輩のこと?」
「はい…」
「いや、確かにきれいな人だと思うけど、僕とは世界が違う気がするんだ」
「世界…ですか?」
「うん、なんか友達にも告白した奴がいたけど、断られたらしくて、そうして玉砕してる奴がたくさんいるって話でさ。…なんか僕みたいな奴には次元が違うって感じかな」
「そうですか…よかった…」
「え!?」
「いえ…何でもないです…」

こうして先輩とお話をしました。…先輩が森島先輩を見ていた時は心配になったけど、心配なんてしなくてよかった…そう思いました

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