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[01]ウラナイ


そういえば梅原が図書室にいくとか言っていたな。僕も行ってみるかな
「おい、橘、これ見てくれよ」
「梅原?図書室行ってたんじゃないのか?」
廊下で梅原が走ってきた
「いや、この本を見たら、俺将来すごくなるみたいなんだよ」
「なんだ…占いの本か。恋愛の占いか?」
「そうなんだよ、この本の占いによると、俺は30歳で金髪のすごい美人と恋愛出来るんだぜ!うらやましいか!」
「…占いだろ?ん…これさ、一段とずれてるぞ?」
「なに!そんな訳…あったな」
「うん、梅原は60歳になったら情熱的な恋愛が出来るらしいな、はは、うらやましいな」
「くそ、なんだよ、お前もそんな余裕かましやがって!くそ〜」
梅原は走っていった。なんだかクリスマスに焦っているのか?しかしこの本は面白いな、そうだ、七咲で試してやるか
そして昼休み、テラスを見てみた。七咲が一人でいるな。
「お〜い七咲」
「あ、橘先輩、どうしました?」
「実はさ、面白い占いがあるんだ。やってみない?」
「…私、占いって嫌いなんです。なんか決め付けられるみたいで」
「いや、遊びだからどう?たいしたのじゃないしさ」
「分かりました。」
「じゃあ必要なのは…誕生日はいつ?」
「2月21日です」
「あ、じゃあもう少しだな。ならプレゼントを用意しなきゃな」
「はい?あ、はい…」
七咲は照れながら答えた。少し目をそらしてる。
「よし、出たぞ!七咲の相手はおでん屋台で飲んだくれてるサラリーマンだな」
「…だから占いは嫌いです。私の理想も知らないで…」
「ごめんな、遊びのつもりだったのに…でも七咲ってどんな奴が理想の相手なんだ?」
「はい?あ、その…」
七咲はまだ目をそらしてる。そして恥ずかしそうに答えた。
「いつも穏やかで…笑顔で…でも押しが弱くて…それで、いざとなると頼りになるような…」
「そうなのか…いつか七咲なら出会えるんじゃないか?うん大丈夫だな」
「…ど…ん……」
「何か言った?」
「いえ、何も、そう言う先輩はどうなんですか?」
七咲顔が真っ赤だ。そんな自分の理想を話したのが恥ずかしいだな。よしからかってやるか。
「僕は…七咲が理想のタイプだな…」
「はい…え、何言ってるんですか?」
「いや、本気だよ。」
七咲はからかってると気づいて呆れるかな?
「先輩…」
ん…なんか嬉しそうだ…いや、そんなはずは…
「七咲?」
「いえ、私、そろそろ失礼します!」

あっ行ってしまったか…少しからかいすぎたな…反省

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