新月まだ酔い醒めぬ頃


[03]上弦に東日、降り立つ。


急に、目が覚めて
起きてみると。

まだ太陽が
昇りきっていなかった。


『はぁ・・・』


急に疲れた様な声を出す。

いつ死ぬか分からない恐怖に怯えながら。




隣から、
急に泣き声が聞こえる。

僕は、
少し、驚いた。


泣き声は止まらない。

どうする事も出来ない僕は、
ベットの上で目をつむった。





再び、
起きると、
太陽はもう斜め掛かっていた。

泣き声はもう聞こえない。


すると、
仕切りのカーテンの、下から
ビー玉みたいな物が
転がって来た。

『えっ!』

思わず声が出る。


しばらくして、
カーテンが開いた。


『ビー玉・・・・』


細い声。
細い腕を伸ばして
手のひらを向ける。



ビー玉を拾いあげて
そっと
その手のひらの
上に乗せる。




『あ・・ありがとう。』


頭をペコと下げて。
カーテンを閉めようとした。



『ちょっと、待って。』


何故か急に声が出た。
意味を無く。


『えっ。』


面食らった様な
様子で僕を見る。


どうしようもなくなった。
僕は、


『・・飴、食べる?』

どうでもいい言葉だった。


『・・・・うん。』


おっと、意外な反応。

初めて話した、女性。
死ぬまで、友達でいたいな。・・・・


そう思っている時、

月は太陽に隠れて、

影も残ってはなかった。


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