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《完結》負けない!!負け犬【１】～２０代後半・真選組女子隊長の日記～

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[34]５月４日

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世の中はゴールデンウィーク真っ最中だ。

国の中心都市である江戸も人出が多く、真選組はあっちこっちの警備やら交通整理やらで大わらわのはずだ。

それなのに私はベッドの上でまったり療養中。

毛虫事件と合わせてかなり長い期間、局のみんなには迷惑をかけているだけに、自分で自分に苛立つ。

まだ激しい運動は無理だが、屯所で事務処理くらいは出来る。

傷の手当てだって、元看護師の私なのだから昔とった杵柄だ。
自分で処置ぐらい出来る。

このままここで燻っていてもしょうがない。

判断の末、｢自己責任の上で退院させて下さい｣と担当医に直談判した。
医師は迷っていた様子だったが、

｢眼科の看護師との不倫、バラしちゃおっかな～｣

と耳元で囁いたら、[しばらくは内勤]、[禁酒]等の多少の条件付きではあるが退院を許可してくれた。

じゃあ退院祝いの酒は無しか…。

非常～～～に残念だが仕方無い。

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屯所に連絡したら、たまたま手の空いていた監察役の山崎が迎えに来てくれる事になった。

山崎はなかなか車の運転が上手い。

だから私は彼の腕を信用し、時々愛車１号のレンジローバーを貸してやっている。

局長には指一本触れさせないが。

今日もこれで迎えに来てもらった。

自分の車の助手席に座る事など今まで殆ど無かった。
いつも私が運転しているので、今日の景色は新鮮だ。

｢華蓮さんが仕事を離れている間に、色々変化が起きてるんですよ。

特に女子隊士。｣

入隊して一ヶ月。
女子隊士は良くも悪くも生活に慣れたという事か。

｢男子隊士と仲良くなる子がいたり、また仲良くなろうとして努力する子がいたり…。

明日なんて土方さんの誕生日でしょ？
だからボク、色んな女子隊士から『土方さんって何が好きなの？』っていっぱい聞かれるんですよ。｣

んなもんマヨネーズしかねぇだろ。

あんだけ毎日食堂でマヨぶっかけた[土方スペシャル]とかいう気色悪いもん食べてんだから、今更聞かなくともみんな知ってるだろうに。

｢商社マンとの合コンを取り付けた強者もいましたよ。｣

何、商社マンだ！？
羨ましいこと山の如しだチクショウ！！

そうか、春だもんな。
若い彼女らも色恋に目覚めるってか。

悪い事だとはさらさら思わないが、業務に支障を来すなと厳しく指導しなくては…。

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