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負けない!!負け犬【３】～私とＪｒ.と銀時と～《連載中》

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[33]４月１０日(銀時)

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磯釣りで魚はてんで釣れなかったのに

何故か人魚が釣れた。

長い髪の美少女で下半身が魚という、絵本のｲﾒｰｼﾞに忠実な、典型的なタイプの人魚だ。

俺と新八は驚きのあまり、岩場に腰を抜かした。

「ちょっ…コ…コレににににに…」

「おおお落ち着け、新八！何か俺ら夢見てんだよ、夢！

あ、ホラ俺らって夢見るお年頃じゃん？多感な思春期じゃん？ドリーマーじゃん？だからなんか妄想と現実の区別つかなくなっちゃってんだよ、きっと。

あ～やべーなコリャ、現代病だね、明らかに。」

「妄想なんかじゃありません。

私人魚です。」

「ギャアァァァ！！

喋ったァァァ！！」

俺と新八は、座り込んだまま手を取り合って怯えた。

「あの、お会いしてすぐにこんな事を申し上げるのは何なんですが…」

人魚は顔を紅潮させ、うつむき加減に話し始めた。

「私と結婚していただけないでしょうか。」

「ハアァァァ！？」

ちょっと待て、待ってくれ、頼む。三百円あげるから。

今あんたがそこにいる事で驚いてるとこなの、俺ら。

なのにそこでさらに驚きの上乗せしないでくれる？

何ソレ初対面の人魚と結婚って。

無いから。絶対無理だから。

「私の住む国には男性がいません。

だから私達は陸に住む人間を連れて国に帰らなければ子孫を残せません。」

オイ、この娘、ドえらい勝手な事を抜かしはじめたぞ。

「私ももう適齢期の女性なので、人間の男性を国に連れて帰らねばならないのです。」

ほぉ～、そりゃなかなか大変だね。

「ですからどちらでも構いません。

私と共に国に住んではいただけないでしょうか。」

「悪いね。俺はカミさんもガキもいる身だ。

だからコイツが丁度いいや。な、新八！

どうせこの先彼女が出来る見込みも無いし、持って行きな。」

俺は新八をドンと突き出した。

すると人魚はよろけた新八をＤカップはあろう巨乳に抱きとめた。

「是非我が国にいらして下さい。

事情が事情の国なので、一夫多妻制です。

あーんな事や、そーんな事や、こーんな事、毎日し放題です！」

女に免疫の無い新八は、大量の鼻血を吹き出し後ろ向きに倒れた。

「あぁ、大丈夫ですか新八さん！」

人魚は倒れた新八をひしと抱きしめ、頭を撫でながら言った。

「まぁ、こんなに沢山の出血…

でも丁度いいわ。

この血で拇印を押しましょ。」

人魚は血だらけになった新八の手を取り、紙に拇印を押させた。

「これで婚姻成立です。

新八さん、みんなで楽しく暮らしましょうね！

うふふ…」

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「まぁ怖い。

最近は人魚のコスプレで色仕掛けして、若い男の子を騙くらかす詐欺が流行ってるのね。

新聞にも書いてあるわ。
『男性が人魚に騙されマグロ漁船乗組員に売り飛ばされる』

ですって。

新ちゃんにも注意するようよく言っとかないとね。」

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