第四章
[04]策士B
姫館の内部は、薄い桃色の壁に乳白色の床、草花が描かれた高い天井に明るさを抑えた照明など、煌びやかな外装に比べて落ち着いた柔らかな印象だ。
また、至る所に置かれた調度品は、意外にも全て本物で高価なものばかり。
サイクレス自身は別に目利きなわけでも特別調度品が好きでもなかったが、日常的にこういったものを見慣れている為、何となく価値がわかる。
高級感と趣味の良さを伺わせる内装に、軽い驚きを感じた。
「お客様、こっちよ」
「こっちよ」
「お連れの方もこっちよ」
愛姫たちの誘導で館の中を進む二人。
廊下の両側には等間隔にドアがあり、時たま開いているところもある。
開いた扉の向こうでは、部屋の主である愛姫が、寝台や長椅子に腰を下ろし寛ぎながら二人に手を振る。
どうやら休憩中らしい。
となると扉が閉まっているところは・・・・・・・・。
「・・・・・・・・・」
あらぬ想像をしてしまったサイクレスは慌てて首を振る。
廊下に立ち止まりブルブルと首を振る様子は、まるで大型犬だ。
「サイクレスさん? 何してるんですか?遊んでないで行きますよ」
ついてこないサイクレスを促す蒼。
こちらは扉の開閉などまるで気にしていない。むしろ、手を振り返してさえいる。
姫館は入り口から縦に長く、廊下は続いており、目的の部屋はまだ先らしい。
「・・・・・・今行く」
恥ずかしさと後悔でサイクレスは赤くなっていた。
「到着しましたぁ」
「ユアンさんのお部屋でーす」
「こちら館の最奥となってまーす」
きゃわきゃわしたあどけない愛姫たちが、一つの扉を指し示す。
そこは、他の扉とは明らかに違う雰囲気を放っていた。
重厚な樫の木の扉に金のノブ。正面に取り付けられたノッカーは軽やかに翼を広げた鷺だ。
館の最奥、つまり長い廊下の突き当たりにあるユアンなる愛姫の部屋は、明らかに特別待遇であった。
コンコン
蒼がノッカーを叩く。
「ユアンさーん」
「お客様ですよぉ」
「綺麗な金目銀目さんでーす」
蒼の後ろで愛姫たちが声を掛ける。
「・・・・・・・・・・・・開いている」
小さく、やや掠れた声が応える。
女性のものだというのはわかるが、声音は低い。
「ではお客様どーぞ」
「お入りください」
「さあさあ」
愛姫たちが二人の背中を押し、蒼が扉に手をかけた。
開かれた扉の向こう、予想に反して光に溢れたその場所に、かの人は居た。
まず飛び込んできたのは鮮やかな色彩。
青々と繁る樹木に、たわわに実った果実。
極彩色の派手さではない、植物の瑞々しさに目を奪われる。
また、あちこちに置かれた灯り取りが植物たちを優しく照らし、明るく幻想的な雰囲気を作り出している。
それは大規模な温室だった。
「なっ」
サイクレスは目を見張る。
重厚な扉に遮られた室内はまるで別世界だ。
大きな硝子が幾つもはめ込まれた天井は、奥に行くほどに斜めに傾斜し同じく硝子の入った壁と交わっている。
どうやらこの部屋全体がテラスのように突き出しているらしい。
窓の向こうは漆黒の闇。だが晴れているらしく、無数に瞬く星と銀が滴るような月が夜空を照らしている。
そんな広い室内、白い白い人が植物に埋もれるように佇んでいた。
[前n]
[次n]
[*]ボタンで前n
[#]ボタンで次n
[
←戻る
]
占い
顔文字
アダルトゲーム
理想の娘
爆笑
ヒーリング
診断
アイドルFLASH
絶景
就活
検定
モテ期
レンタルランキング
四字熟語
萌えボイス
ペット
顔文字待受
雑学
野球拳
JapanGirl
デカデコ
巨乳動画
Flash時計屋
待受FLASH
J−POP
ランキング
名前占い
オリジナルdesign待受
短縮URL
恋愛メーカー
メール転送
恋に効く待受
小説
たまチョビ
動画フル
夜景
ブログ
PROJECTZERO
漢字
アートFlash
おバカデコメ
壁紙
アイドル待受
アイコン
OL専門動画
紙芝居
アイドル伝説
写メ診断
巨乳画像
顔デコポン
デコメ取り放題
GRAFFITI
小悪魔
絵文字デコメ
夢占い
萌えアニメ
魔法の恋愛テクニック
癒し待受
アート待受
姫系×セレブ系
メールポータル
ツンデレ
常識検定
血液型占い
デコライン
SNS
チャット
勇気のでる待受
花の待受
オンラインゲーム
モテカワ
ピンク先生
脳の訓練
おバカ待受
お買い物
空の写真
動画天国
さくら
wedding
アイドル爆破ゲーム
QRコード
Japangirl
Flashゲーム
普通度判定
フルムービー
レシピ
恋愛心理テスト
海のFlash
HIPHOP
グラビア
クール
暇
成分解析
理想の彼氏
占い占い
Copyright(C)2007-
PROJECT ZERO
co.,ltd. All Rights Reserved.