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遠距離フリンレンアイ

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[01]東京タワー

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窓からは東京タワーが見えた。

「ほら、あそこ。東京タワー見えるよ。」

ヒナコはダブルのベッドに乗り、カーテンを開け、幼い子供のようにはしゃいだ。

「あ、ほんとだ…って、かなり近いな!!」

ヒロフミも上着を脱ぐと、ヒナコの側に寄り添った。


ヒナコは33歳。
夫と小学生の娘がいる。

ヒロフミは26歳。
妻はいるが子供はまだいない。

二人が出会ったのは、ケータイサイトだった。
出会い系といった類ではなく、コミュニティーサイトの中で知り合った。

互いのパートナーへの不満や相談などをしているうちに、その共感が、いつしか引き寄せられるような感情に変わっていた。

「逢いたいね」

どちらからともなく、そんな言葉がメールに増え、二人は直接会う事にした。

はじめは東京に住むヒナコが、ヒロフミのいる名古屋へ出向いた。

ヒナコにとっては、大冒険だった。
家族には学生時代の友人と久しぶりに会い、友人宅に泊まる、という事にしてきた。
一人で新幹線に乗るなんて事も初めてだった。

駅で彼と待ち合わせ、お互い顔は写メで見知ってはいるものの、
ちゃんとお互い、気づくだろうかと不安だったが、すぐにわかった。

ホテルからは名古屋市内が一望できた。
想像してきたヒロフミの唇が耳に触れた瞬間、ヒナコの体に忘れていた新鮮な感覚が戻った。

ホテルで一夜を過ごし、体を重ねる事は、様々な不安と罪悪感のある行為だと知りながら、二人はそれでも気持ちを抑える事ができなかった。



ヒロフミは、東京タワーを眺めるヒナコの耳元にキスをした。

ヒナコは三ヶ月ぶりのヒロフミの愛撫に胸が高鳴った。

「んっ…」

ヒロフミは三ヶ月ぶりのヒナコの香りに誘われるように、肌に舌を這わせた。

温かく、柔らかなヒロフミの舌がヒナコは好きだった。

夫では得られない感触に、ヒナコは体を震わせる。
耳元でくちゅくちゅと響く卑猥な音に、ヒナコはとろけた。

「ん…?どしたぁ?」
ヒロフミの優しく気遣う言葉には、意地悪さが含まれている。

ヒナコはそんな意地悪さも好きだった。

「ん…はぁ…んあっ」

ヒナコは耳の愛撫だけで、息があがり、目が潤んでいた。

背後に座るヒロフミの手がワンピースの下から潜りこむ。

身体を確かめるように、ヒロフミの手が体中をまさぐる。

「ヒナ…かわいい…」

旦那からは言われる事のない言葉を、それも年下の男に言われる。
それは、女としての悦びをくすぐる言葉だった。

「…ヒロ…」
ヒナコは振り向き、ヒロフミの唇を欲した。

「んっ…」

唇は隙間なく塞がれ、舌と舌が絡み合う。
混ざり合った唾液は飲み込む間もなく、ヒナコの口の端から蜜のように溢れてこぼれた。

「涎たらして…」
ヒロフミが幼い子供を慈しむように笑った。
ヒナコの唇から滴る蜜のような唾液をヒロフミが舐め取った。

ヒロフミの指がヒナコの中へと滑るように入れられた。
「ああっ…!」

三ヶ月待ち望んだ感覚に、体が痺れた。
中を確かめるようにゆっくりと、
次第に早く激しくなるヒロフミの指は、ヒナコを狂わせる。

「ふぁあっ、あうっ、あぁっ!」
ヒナコが高ぶるにつれ、蜜は溢れ、ヒロフミは水遊びをしている子供のように興奮していた。
「すごいよ、ヒナのここ…ビチョビチョ」

「やっ、あっ、あっ、…も…だめぇ…イっちゃ…うぅ…」
ヒロフミの腕を握るヒナコの指に力がこもる。

「だめ、イっちゃう…!!」
「いいよ、イっちゃっいな」
ヒロフミがますます荒々しく指を動かす。
「あっ、あうっ、も…ダメぇ!!」


「ヒナ、大丈夫?」
ヒロフミが果ててグッタリとしたヒナコを気遣う。

「うん…」

今度はヒロフミの番、とヒナコがヒロフミを愛撫する。
すでにヒロフミの男根は硬くそそり立っている。

それをヒナコが優しく愛おしむ。
彼自身だと思いながら、舐めてはキスをする。

口いっぱいに頬張り、歯で傷つけないように注意をしながら動かす。
くわえたまま、舌も動かす。

最後に旦那にフェラチオしたのはいつだったかすら忘れてしまった。

「ヒナ…気持ちいいよ…」

褒められた事と、愛しい人が喜んでくれている事がうれしくて、ヒナコは全身全霊で愛した。

「入れたい?」
ヒロフミがヒナコに聞いた。

ヒナコはこのまま最後まで口でしてみたかった。
イク瞬間まで愛してあげたかったからだ。

けれど、同時に自分も愛されたい欲求と、
彼が望む答えを出す事が、彼を悦ばせる事だと、ヒナコは解っていた。

「…うん、欲しい…」

ヒナコはヒロフミの上にまたがる。
ゆっくりと愛しい彼の顔を見つめながら腰を落とす。
ヒロフミの硬い部分が、徐々にヒナコの体を割っていくように入る。

常に精神的な繋がりしか持てないもどかしさが、肉体的に繋がる事でようやく一つになれた満足感と、体の隅々まで満たされる快感に二人は酔いしれた。

「あぁっ…ヒロ…逢いたかった…逢いたかったの…ヒロの、硬くて…気持ちいぃ…」

「ヒナ…かわいい…ヒナの中すごく気持ちいいよ…」

ヒロフミがヒナコを組み敷き、激しく揺する。

「ぁあっ!あっ、ぁん…」

「あんまり声出すと、聞こえちゃうぞ」

「ヒロ…中に…出して…いっぱい、ヒロフミの…ちょうだい…」

本能的に体がそうしたいと願うまま、言葉が漏れる

「だすよ…中に…」

体内の弾ける感覚と精神的な満足感とでヒナコは身も心も昇天した気分だった。


「…大丈夫?」
「…ぅん…」
体が痺れたようになり、動けないヒナコをヒロフミが気遣う。

ヒナコは起き上がり枕元の時計で時間を確認した。

ホテルはシティホテルのデイユースで、チェックアウトまで時間があったが、
ヒロフミは終電で帰る事になっていた。

二人は心ゆくまで、体を重ね、ホテルを後にした。
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