第7章


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「あの石版は、俺達七武海が引き受ける!お前らは、ただまっすぐにあの馬面を狙え!」
「そうじゃ…アルセウスを倒せるのは、ピカチュウ殿の他に誰もおらん!」
止めようとする俺に、エレキブルとユキノオーが同時に叫んだ。
「あなた方は、私達がお連れしますよ、あそこまでねヒヒヒヒヒ…」
ゴースト達を引き連れたサマヨールが、アルセウスの方を指差した。
「こんなの柄じゃないが…ゲンガーだけに正義の味方ヅラさせるのは癪ですからねヒヒヒ…」

「ピカチュウさん!行きましょう!」「あいつやっつけよ〜!」「拙者共は一蓮托生にござる!」
「あなたと一緒なら、たとえ地獄へ墜ちても怖くない!」
手下共も俺に叫ぶ。
「ここで倒れてはなりません。あなたはシンオウの、いえ、全ポケモンの希望なのです」
「もうちょっとよ!平気、へいき〜!」「早く終わらせてご飯食べよ〜!」
エムリット達も俺に言う。

「お前ら……」
俺は目頭が熱くなり、思わず拳を握り締めた。
こいつらの為に、倒れていった者達の為に、そして、何より俺自身の為に…
俺はアルセウスを倒す!

「分かった……だが、一人でもいい、なるべく多く生き残れ!」「おう!」
「行くぞ!」「おーーーーーー!!!」

皆は腕を振り上げ、それぞれに配置へ…
「あ、ちょっと待って…」
ふと、メスのニューラが近付き、
「これが終わったら、ミミロップにもう少し優しくしてあげなさい!」
俺だけに聞こえるように囁いた。

「ここ…こんな時に!な、何を!!!」
「絶対に忘れないでよ!じゃあね〜!」

そして俺達は三方へ散り、恐らくは……最後の攻撃へ打って出た。


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