第1章
[02]菜緒のきもち
あたし達の高校は2年で
沖縄か北海道へ修学旅行
へ行く。北海道はバスの中
ばかりだからつまらないらしいが
沖縄はそりゃあもう海がキレイで
食べ物も美味しいと聞いていた。
幸いあたし達の学年は沖縄だった。
修学旅行に行く前も
樹里とはメールをし合っていた。
「樹里は着ていく服決まった??」
「うん、一応3日目の自由行動の
ときのは決まったよー!」
「まぢで!?写メって送ってよ(^o^)」
送信されてきた写メには
ドットのバルーンスカートと
白いタンクトップのうえに
薄いかぎあみニットの半袖と
かんかんぼうが写っていた。
「菜緒は決まったの??」
「あたしも一応決まったよ!」
あたしはというと樹里みたく
清楚な感じはないガラガラの
半袖Tシャツに白くてお尻に
"candy girl"とかかれたつなぎ
そしてサンダルという真逆な
服装だった(笑)
「へぇー浮ゥわいいねー淵
「ホントに思ってる??←」
「思ってるよ!!!(笑)」
「てか樹里、昔は都会
に住んでたんだよね。
何年生からココ来たの?」
「うんとね〜、確か、
小学校3年くらいかな淵
「あたしと一緒だ!!!
なんか運命感じるね←」
「え!菜緒も引っ越したんだ!
なんか転校って辛いよね、
ココの学校来て給食の時間が
1番苦痛だったよヌ」
「わかるわかる!なんか
量多いんですけど!みたいなw」
「そぉそぉ!!!それから…」
樹里と深く関わってわかったのは
樹里は始め思ってたような
大人しい性格ではなく、
教室にいる誰よりもあたし
と気が合う子だったということ。
同じ様な育ち方をして
同じ様な心境であるのも
わかった。
今まであたしの心を
わかってくれる人なんて
あまりいなかった。
いや、いないに等しかった。
だからいっそう
あたしは樹里との距離が
縮まっていった気がした。
この子ならあたしの悩みが
分かるかもしれない。
あたしの秘密を明かしても
イイかもしれない。
そう思い始めた。
秘密、それは
あたしが男嫌いで昔から
女しか好きになれなかった事を。
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