天使or小悪魔


[23]方向音痴


―唯SIDE―


…………道案内の紙を見た瞬間、私は固まった。





それは、私達が居る場所と正反対だから。



『………茜。場所とは正反対だよ……。もしかして、茜って方向音痴?』






そう言うと茜がうるうるした目で私を見て来た。


「私………、方向音痴だったの?」



………今更?



遅くない?気付くの。



しかも、うるうるした目で見ないでよ!



私がいじめてる見たいだから。


『茜の天然には負けるわ。』



「………?天然?誰が?」


それを天然と言うんだよ!

茜。




『茜。道、正反対だから学校の前まで戻ろう。』



「うん。わかった〜。」



――――校門




『さて。ここからは、道はこっちじゃん。』


全く違うし。




茜、方向音痴にも限度ってモンがあるでしょう?




茜にはなさすぎ……。




「唯が居てよかった〜!!だって、私が一人の時はいつも、目的地に辿り着けないから焦ったよ〜!!」





……………。




『茜って天才だね。』



ボソッと言った。




天然の天才、茜だわ。




『着いたよ。』




「ありがとう!!!!」



先が思いやられるな……。



茜には。

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