第38章


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ニューラはかなりの痛手を負っていた。まきびしに阻まれ、未だに体制を立て直せていない。
しかしロゼリアのダメージの方が深刻だった。目を回し、混乱してしまってもいる。
「くっ…」
それでもふらふらと、ロゼリアは立ち上がろうとする。駄目なんだろうか?僕は足手まといのまま…?

観客のニューラ達も静まっている。どちらが先に立ち上がるか、固唾を飲んで見守っているらしい。

その時、マニューラが氷の椅子から立ち上がり叫んだ。
「ロゼリア!てめえは四天王じゃねーのかよ?怖ーいピカチュウ様の、尖兵じゃねえのか?
そんなんじゃ俺がてめえの四天王の座をいただいちまうぜ!ヘタレにゃ過ぎた地位だ!」
マニューラはそう言い切ると、光の石を弄びニヤリと笑う。
これは挑発だった。

「僕は、僕は…」
ロゼリアの頭に様々な記憶が流れる。ヤミカラスに虐げられていたスボミー時代。あれから、ピカチュウさんに助けられた僕はシンオウを駆け巡り、カントーでは…思い出したくもないが…カイリキーなどとも戦った。
僕は四天王なんだ!

「あっ、おいっ」
ロゼリアの神通力が暴走する。技はマニューラにもニューラ達にも効かないが、光の石が惹かれるようにマニューラの手を離れた。光の石はロゼリアの近くに落ちる。
それに共鳴するように、ロゼリアの体が光りだし─

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