オトウト


[02]蔵の秘密


「じゃあ、おばあちゃん、また来るね。」
おばあちゃんがニコニコしながら手を振った。
私と陽輔は一緒に病院のカフェに寄った。

「そういえば、陽ちゃん、陶芸家になるの?」
「あぁ、できれば、ね。それ、敬輔から?」
「うん。」
「…今から見にくる?」
「え、いいの?」

陽輔と一緒にバスに乗り、停留所からは山道を歩いた。
「よ、陽ちゃん…まって…よ…休憩!」
ちょっとした登山のようだった。
パンプスを履いた足が痛い。
私は道の脇の切り株に腰掛けた。
「足、痛いの?」
「うん…パンプスだったから靴ずれしちゃったみたいで…」
陽輔がしゃがんで私の足から靴を脱がせた。
足を見られるだけなのに、なぜかドキドキした。
「はい。」
「え、あ…」
陽輔は脱がせたパンプスを私に持たせると、くるりと背中を向けた。
「乗って。」
「えぇ、い、いいよ、重いし!」
「いいから。みちるの歩くのに合わせてたら、日が暮れるよ。ほら。」
「…じゃあ…お願いします…」
陽輔も、すっかり男の人の体つきになっていた。私は陽輔におぶられて、陽輔が寝泊まりしている小屋に着いた。
「わあ、すごーい!」
木の匂いがする小屋には、陽輔の作った焼き物が並べられていた。
「これ、面白い形。なんか、でも、洗い難そう。」
「ははは、言うと思った。」

「ねぇ、陽ちゃん、なんで家に帰らないの?」
「敬輔から、聞いてないの?」
「え、何を…」
陽輔が思いつめたように、私を見つめた。
「昔…じぃちゃんの、法事があった時、敬輔とみちる、蔵に行ったよね…」
「え…」
陽輔の唐突な話に、私は心臓が縮んだような気がした。
「俺、あの時、蔵に居たんだ…こっそり脅かしてやろうと思って…」
「陽ちゃん…?」
「思春期真っ盛りの男子に、衝撃的だったな…アレは。…目の前で女が、男に胸を揉まれて、感じてる状況なんてさ…」
過去を暴露され、私は恥ずかしくてたまらなかった。
「あの時、みちるが見たの、コレだろ?」
陽輔は物入れの中から何かを見つけ出し、手には、あの時、敬輔が見つけた春画だった。
「あ…」
「コレ見たら、そんな気にもなるよね。」
「…俺は…ずっとみちるが好きだった。だからっ…」
陽輔の口調は激しい感情がこもっていた。
私は陽輔を知らないうちに傷つけていたのだ。
そう思ったら、私は陽輔を抱きしめていた。
「ゴメン、陽ちゃん…ゴメンね…」
「みちる…」
陽輔が私を押し倒した。
手首を握られ、抵抗できない。
「…陽ちゃん…?」
唇が犯されたようだった。
荒々しく、貪るようなキス。
陽輔は私の声が耳に入らない程興奮していた。
「やっ…んうっんっ」
声を出そうにも、すぐさま唇でふさがれた。
舌が潜り込み、喉元まで押し込まれた。
必死に抵抗しようにも、私の力は次第に抜け、陽輔の舌で感じていた。
それを悟った陽輔は私の手を解いた。
「ハァ…ハァ…陽ちゃん…」
「ごめん…」
陽輔が申し訳なさそうにうなだれた。
私のせいだ。
私が陽輔を苦しめた。
私は陽輔の手をとり、自分の胸にあてがった。
「みちる…?」
「私…敬ちゃんも、陽ちゃんも同じくらい好きだよ…。あの時、一緒に居たのが、陽ちゃんだったとしても、同じ事してたかもしれない…だから…」
私達は、座ったまま抱き合った。
ショーツ越しに、陽輔の股間が硬く膨らむのがわかる。
「陽ちゃんの…おっきくなってるよ…」
「…みちるが側にいるから…」
「おっぱい、見たい?」
「うん…」
私は陽輔の目の前で、服を脱ぎ、ブラを外した。
陽輔に見られてるだけで、乳首がチリチリした。
「綺麗だ…」
陽輔が乳首を口に含む。
「んっ!」
私の身体は電気が走ったように跳ね、私の声を引き金に、陽輔は私の身体を倒し、貪るように愛撫した。
私もそっと陽輔のモノをズボン越しに触る。
ヒトの体の一部とは思えない程、硬くなっていた。
それが、自分の身体に入る事を想像したら、あそこがヒクヒクと疼き、濡れるのがわかった。


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