第43章


[147]


”まさか、何故? 兵士達の話では、反政府的な武装組織の首謀者だったか、
強力兵器の開発者だったか、とにかくそういった危険な人物を追わされていると”
 俺がそう言うと、ミュウは吹き出すように笑った。
『なるほどなるほど、うーん、あながち丸っきり嘘って言えないのが怖いところだなぁ。
何故って、言ったでしょ、ボクの体にはありとあらゆるポケモン達の遺伝子情報が宿ってるって。
もしもポケモンの研究者が知ったら、まるでナナの実を見せ付けられたエイパムのように
狂ったみたいに喜び飛び付いて、何もかも投げ打って没頭しちゃうくらいの大ごとだよ。
そこから得られる成果を、君達の飼い主の飼い主であるエラーイ人達はお腹の空いた
カビゴンみたいにヨダレをだらだら垂らして待ち望んでいるんだ。当然、皆が平和に暮らす為に
なんかじゃ絶対無いのは、彼らの下に居た君には分かりきってるんじゃないかな?
 ボクの遺伝子を応用すれば、それはそれはもう今よりもっと強力な兵器だって生み出せる。
それを使えばもっとずっと簡単に自分の縄張りが増やせて、どんどんぶくぶく肥え太れるって寸法さ。
――まったく、良い餌をチラつかせて上手いこと手懐けたものだよ。この陰湿なやり口はきっと、
でぃあるんじゃなくて、ぱるぱるの仕業だろうなー……。君達が戦わされていた相手国だって、
きっと目的は同じさ。ホント、ボクってばモテモテでやんなっちゃう』

[前n] [次n]
[*]ボタンで前n
[#]ボタンで次n
[←戻る]




Copyright(C)2007- PROJECT ZERO co.,ltd. All Rights Reserved.