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体育倉庫にて

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[01]キス

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「あっ…」
後ろから延びた腕に抱きしめられ、莉奈は声を上げた。
「ンもー!ビックリするでしょー」
「ははは、だってさぁー…」
晃が莉奈の耳元に唇を近づけた。
「莉奈の身体に触りたくなったから…」
わざと吐息を吹き掛けるように、囁いた。
「ちょっ…っ!」
莉奈の身体がピクッと反応した。
それに気付いた晃は、莉奈の首筋に軽くキスをした。
「ンっ!」
抗うような表情の莉奈に晃はそそられる。
「莉奈…いいよ、その顔…たまんない…」
「あっ…はぁっ…ダメぇ…」
首筋、耳、莉奈の露出している部分を晃が愛撫する。
同時にやんわりと、掌が胸を刺激する。
頑なだった莉奈の身体が解れていく。
莉奈の切ない表情を晃は読み取った。
「キスして欲しい?」
晃の問い掛けに、莉奈がコクンと頷く。
「ちゃんと、おねだりしてごらん。」
「キ…スして…」
「よくできました。」
晃がニッコリ笑って、莉奈の唇に指でなぞった。
「んぅ…はっ…クチュ…」
二人の吐息と唾液の混ざり合う音だけが、耳に響く。
舌が絡み合い、お互いを求め合った。
より深く、より密に、唇と唇、舌と舌を重ねた。

晃が唇を離し、莉奈の顔を熱い眼差しで見つめた。
莉奈も、潤んだ瞳で晃を見つめた。
「晃…わたし…」
抑えきれない欲望と理性の狭間で莉奈は悶え、たまらず晃のシャツをギュッと掴んだ。

ここは高校の体育倉庫。
『昼休み、学校の体育倉庫に来て』
そんな晃からのメールを不信に思いながらやって莉奈は体育倉庫に来た。
今は期末試験前なので、体育の授業も部活も無い。
体育倉庫に人が来ない事を、晃は知っていた。

「どうしたの?莉奈…」
晃が意地悪く笑う。
莉奈は求めていた。
「晃…私…」
莉奈がもじもじして、切ない顔で晃を見つめる。
「ん?」
「さ…って…」
顔を伏せた莉奈が小さな声でつぶやいた。
「もっと…触って…私の身体…お願い…」
晃は、泣き出しそうな顔の莉奈の顔を持ち上げた。
「いいよ…触ってあげる…」
莉奈の頬に触れていた指が、身体の輪郭を確かめるように這う。


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