秘密の放課後


[35]看病


「スミマセン…台所借りますね。」
奥さんのいない間にアタシ何やってるんだろ…。アタシが奥さんだったら絶対イヤだな。他の人にキッチンに立たれるの。でも今は、先生を放っておけなかった…。
「先生…これ作ったんで食べてください。」アタシゎ先生にお粥を差出した。
「麻咲が作ったのか?」

「はぃ。勝ってに台所にあるもの借りましたケド…。」

「久し振りな手料理な気がする…。」

「でしょうね…風邪なのにちゃんと食べなきゃ。」
先生は、アタシの作ったお粥を冷しながら食べていた。
「ぅん、ぅまぃょ。」先生が笑顔で言う。
その笑顔にまたときめいてしまぅ…。

「それじゃぁ、アタシ帰りますね。」
アタシは、帰ろうと立ち上がった。
「麻咲…もぅ少し側にいてくれないか?」
アタシゎ強気になれなかった。いつもより先生が弱ってみえた。
「奥さん…帰って来たら知りませんよ…。」
「大丈夫だよ、旅行行ってるし、ごちそうさま。」
先生は、残さず全部アタシの作ったお粥を食べてくれた。
「それにしても風邪なんて珍しいですね。」
「ん?バチでもあたったかもな。麻咲を振った。」
「シャレになってないし…。奥さん、先生が風邪ひいてるの知ってるの?」

「言ってないょ…せっかくの楽しい旅行で心配かけたくないしさ。大丈夫だょ風邪くらいでくたばったりしないし。」
アタシゎ先生が食べたお粥の皿を片付ける。
なんだかほんとに結婚してるみたぃだった。


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