おませなオコチャマ


[26]大切な人


陽菜「ココ」

陽菜が指さした場所にチラリと目をやり一瞬ヒヤリとした


陽菜「プリクラ貼ってたんじゃないですか?剥がした跡が残ってる」


「……………。」


俺は少し聞こえてない振りをした


確かに陽菜が指さした場所は元カノが俺と撮ったプリクラを貼っていた場所だったからだ。


別れた時に ムシャクシャしていたから
乱暴に剥がしてそのまま跡まではみていなかった




陽菜「先生?」

陽菜が少し弱々しい声で俺の答えを待っているようだった



「そのとおりだよ。今は彼女いないよ」

俺は 敢えてプリクラの話題には触れなかった


というよりこれ以上触れられたくなかった


「別れたからといって別に彼女が欲しいとは思わない…。寧ろ今はいらない」


陽菜「……………」



何も言ってこない陽菜をチラリと見る


泣いているのかと思った


無言で何か考えている…


陽菜「大切な…人だったんですね…」



「まぁ…な」


声のトーンが低くなったように感じた


どんな気持ちでこの言葉を選んだのか

俺には理解できない





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