第41章


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 生意気には違いねえが、ああやって無邪気にはしゃいでる姿を見ていると、あのガキにもちったあ可愛げが
あるじゃねえかと思えてきた。あっしもちょっと意地悪くしすぎていたのかもしれねえと少し省みる。
「ヘッ、精々そいつの優しさに感謝しやがれよ。後、今までのおめえの生意気な態度にも目をつむり、
許してやろうとしている心の広い俺様にもな――ニューラ」
 あっしが精一杯の歩み寄りをして声がけると、子ニューラの表情は急に一転してムッとしたものに変わった。
「おまえには呼び捨て許してないぞー。オレはおまえのイジワル絶対に忘れないもんね。
どうしてもオレを呼びたければ、ニューラ様って言えー。いや、やっぱり強くてかっこいーニューラ様がいいかな。
優しくてかわいーニューラ様もいいなー。うーん、賢くてうつくしーニューラ様ってのも捨てがたいなー」
 調子付いた様子で、子ニューラはあれこれ言い出す。
「こっちが下手に出りゃ……! 絶対そんな風にゃ呼ばねえよ、クソガキが!」
「あー! またクソガキって言ったな、クソカラス!」
 前言撤回だ。やっぱりこいつは可愛げのカケラもねえクソガキだ。子ネズミのチビ助といい、
この一行にはろくなガキが加わりゃしねえ。
 ・
 ――「その子ニューラが今のマニューラだな?」
 どこか可笑しそうにして、確信したようにエンペルトは言った。
「ああ、その通りでえ。その生意気が寄せ集まって出来たようなクソガキが、今のクソネコのヤツだ」

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