第40章


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 こやつのことだ、ここで追い払ったところでどうせ後からこっそりつけてくるだろう。
背後の方でこそこそされるくらいなら、目の届く場所に置いておいた方が幾らかましかもしれない。
「好きにするがいい」
 言い捨てるようにして、俺は歩き出した。
「そうつんつんするなよ。どーせ短い付き合いなんだ、精々仲良くいこうじゃねーか、なー?」
 言いながら、マニューラは傍にいたロズレイドと半ば強引に肩を組んでみせた。
わ、わ、とロズレイドは慌てた様子でよろける。
 ……やれやれ、頭が重くなってきた。何だか耳の先っぽがじんじん疼く。
さっさとペルシアンのところに行って、この余計な心労から解き放たれたい。

 予定通り俺達は二十五番道路を南に跨いで、整備されていない林の中をひたすら突き進み、
ハナダシティを東に迂回していった。九番道路に差し掛かる頃には日は徐々に傾き始め、
八番道路を目指してゴツゴツとした山道を歩んでいる途中で、辺りはすっかり暗くなっていた。
平坦な道ならまだしも、粗い山道を夜通しで歩き続けるのは危険な上に体力的にも厳しいと判断し、
俺達は岩壁に開いた適当な洞穴を見繕ってそこで夜を明かすことにした。

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