第38章


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「さっさと終わらせてやる!」

「わぁぁっ」
ニューラの氷の礫が真っ直ぐロゼリアに飛んでくる。間一髪直撃は避けたものの、ロゼリアの葉は抉られた。
「遅い!」
容赦なく飛んでくる氷の礫に、ロゼリアは逃げ惑うことしか出来ない。このままでは、体力を減らされてしまうだけだ。この寒さでは長期戦になればなるほどロゼリアには不利になる。
「何とかニューラの動きを止めなきゃ─あれを使おう!」
ロゼリアはくるくると回転し、手の薔薇をニューラの足元に向けた。
「まきびし!」

「チッ!」
ニューラは攻撃を止め、隅に逃れる。
「わたほうし!」
「そんなものが効くか!」
動きを鈍くしようとしたロゼリアのわたほうしはニューラの凍える風によって消えてしまった。
「はっぱカッ「だましうち!」
葉を飛ばそうとした隙をつき、ニューラは一瞬でロゼリアに迫り打つ。
「くっ…」
ロゼリアは倒れ、ニューラが拳を構える。
“来る!”
ロゼリアは身構えようとしたが─不意に何を思ったか薔薇の中から何かを取り出し口に含んだ。

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