第7章


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「も…も、ダメ…」
ドーミラーが目を回して倒れる。
乱暴に乗り回した上、あれだけの波に乗るために無茶な念力を使わせたのだ、無理もない。
……すまん。

「ぐう…我が加護は既に受けていないというのに…何だというのだ!?」
「ピンチをチャンスに変えるあの力…!」「今までの勝利もアルセウス様のお力だけでは無かったということでしょうか…?」「この賭け、もしかしたら本当に…!?」
アルセウスとエムリット達は驚いているようだ。
自分でも無理は感じていた。ドーミラーの形状、常識では考えられないほどの津波、ドーミラーは本当によく耐えてくれたと思う。
「…あ、カブトとプテラが見える…死んだはずの古代の旧友達が川の向こうで…」「ド、ドーミラー!そっちに逝っちゃダメだ〜!」
ドクロッグがドーミラーを呼び戻そうと必死に揺すっている。
……すまん。

「ふん、少し驚いたが、そのような曲芸が出来たところで何だというのだ。我に勝てるわけがない!」
…さて、無事に波を受け流したからといって安心している暇などない。
気を入れ直すとしよう。

飛べない者を飛べる者に救出させたが、飛べる者の数はもう少なく……。
…ユキノオーの姿が見当たらない。傷つき倒れた仲間達の亡骸も…。
「ボロきれ共は無事に死者の川まで流れたようだ。ギラティナ亡き今、転生はかなわんがな…くく」
「お前の挑発にはもう乗らない…!」
俺はアルセウスを睨む。

「それは残念だ。」




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