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《完結》負けない!!負け犬【２】～みんなの日記～

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[80]12月25日(新八)

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昨夜は万事屋でささやかながらクリスマスパーティーをし、お腹がいっぱいになった僕と神楽ちゃんはそのままソファーで眠ってしまった。

そして今朝。

｢おい新八！起きるアルヨ!!

これ見るアルヨ!!｣

神楽ちゃんの元気な声とビンタに無理矢理起こされ、眠い目をこすりながら彼女の指差す方向を見た。

そこには[神楽ちゃんへ][新八君へ]とそれぞれ名前の書かれたプレゼントが置いてあった。

｢サンタさんからのプレゼントアルヨ。

早速開けてみるネ！｣

バリバリと包装紙を剥いで中身を取り出す神楽ちゃんを見て、僕も一緒にプレゼントを開けた。

｢わあぁぁーっ!!｣

｢ワアァァ～ッッッ!!｣

神楽ちゃんのプレゼントは大江戸遊園地のぺアチケットだった。

｢やったぁ～！

総悟を誘って行ってくるアルヨ!!

新八のプレゼントは何だったアルか？｣

｢……｣

僕へのプレゼントは、とても口には出来ないようなタイトルのエロ本と、ティッシュ二箱だった。

銀さんだよ。

こんなもんプレゼントしてくるなんて、銀さん以外に考えられないよ。

何考えてんだよ全く…

…でもちょっと嬉しいかも。

そこへ銀さんと華蓮さんが、それぞれ手に何かを持って寝室から出て来た。

｢おはようございます。

手に持ってるソレって、クリスマスプレゼントですか？｣

すると二人は複雑な表情で話し始めた。

｢いやそれがさァ、昨夜真夜中に目が覚めて、んで厠に行こうとして起き上がったんだよ。

そしたらさぁ…｣

・―・―・―・―・―・

｢…うわっ!!おまっ…だっ誰だよ!?

なに人んちの寝室に入り込んでんだよ!!

あっ、分かった！オッサン泥棒か？泥棒のオッサンなのかァァァ!?｣

｢いえいえ、私は泥棒なんかじゃありません。

みなさんにクリスマスプレゼントをお配りしている[サンタ]と申します。｣

｢…[サンタ]？

それって普通[三田]って書いて[みた]って読むんじゃねーの？｣

｢違います。私はカタカナで[サンタ]です。｣

｢ふ～ん、ま、別にどっちでもいいんだけどサ。

ところで何、『プレゼントをお配りしている』って、俺らにも何かくれるわけ？｣

｢ハイ。

坂田さん御夫妻には、これをお持ちしました。｣

｢おぉ、かみさんにもくれるのか？アンタなかなか気ィ利くじゃん。サンキュー。

早速開けていい？｣

｢いえ、ここは古からのしきたりにのっとり、朝目覚めてから開けて下さい。

では私はこれで…｣

・―・―・―・―・―・

｢なるほど。そしてその手に持ってるのがプレゼントなわけですね。｣

二人は怪しいおじさんからのプレゼントを、恐る恐る開けた。

すると…

｢!?｣

二人は目を丸くして驚いていた。

銀さんのプレゼントの中身は男性向け育児書、華蓮さんのには妊娠検査薬が入っていたのだ。

｢何だ、アイツ。

気ィ早ぇオッサンだな、全く。

余計なお世話だっつーんだよ！なァ、華蓮。｣

銀さんが話し掛けると、華蓮さんは聞こえるか聞こえないかというような小さな声で答えた。

｢…そんな事ない。｣

｢えっ？｣

｢そんな事ないの。

実はここしばらく、月のモノが来てないのよね。｣

・―・―・―・―・―・

ジャーッという厠の音と共に、華蓮さんが出て来た。

僕らの視線は彼女に注がれる。

｢…どうだった？｣

｢うん。結果は…｣

三人が固唾を飲む中、彼女の口から結果が報告された。

｢結果は【陽性】でした!!｣

｢やったァァァ～!!｣

一番に声をあげたのは、勿論夫である銀さんだった。

・―・―・―・―・―・

二人はすぐに産婦人科へ連れ立った。

しかし昨年の子宮外妊娠のような事もあるので、僕と神楽ちゃんは心配しながら留守番をしていた。

そこへ電話の音が鳴り響いた。

僕らはビーチフラッグの如く電話に飛び付いた。

受話器をゲットしたのは僕だった。

｢ハイ、万事屋ですが！｣

｢オォ、新八か。｣

僕らの期待通り、銀さんからの電話だった。

｢で、どうだったんですか？

お腹の赤ちゃん。｣

一緒に結果を聞こうと、神楽ちゃんも受話器に耳を寄せてきた。

銀さんは深呼吸をし、穏やかに言った。

｢３ヶ月。

正常妊娠だってさ。｣

｢ワアァァ～イ!!

やったぁ～!!!!｣

僕らは嬉しくて、受話器を放り投げたまま部屋中を駆け回った。

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